瀬戸の花嫁

瀬戸の花嫁

「瀬戸の花嫁」は、小柳ルミ子が1972年4月にリリースした4枚目のシングルで、彼女の代表作の一つです。この楽曲は、「わたしの城下町」に次いで、オリコンチャートでの2度目の首位を獲得しました。多くの支持を集め、今でも愛される楽曲となっています。

背景と制作

この曲は、当時の“ディスカバー・ジャパン路線”の一環として作られました。楽曲のテーマは「瀬戸内海」であり、地域の文化や風情を感じさせる内容になっています。歌詞では、瀬戸内海の小島に嫁ぐ女性の心情や新しい生活への決意が描かれています。しかし、曲の舞台として名指しされる香川県小豆郡の沖之島については、実際にはそのような具体的な島は存在していないことが明らかになっています。

作詞を手掛けた山上路夫は、瀬戸内海の島を訪れたことはない一方で、仕事の際に水中翼船で四国へ行く途中に見た美しい景色がインスピレーションとなったと語っています。特に、広島県尾道から見える段々畑や夕焼けの景観が’impression’的で、これが歌詞に深みを与えています。

流行と影響

1970年代には、楽曲の一部を利用した替え歌が子供たちの間で流行しました。特に料理名を組み合わせたリズミカルな替え歌は、若者たちに親しまれました。また、小柳ルミ子の離婚問題の際にも、この曲がもじられた表現がメディアを賑わせました。そのような影響力を持つ一曲であったことが、今でも伺えます。

楽曲は、JR四国の予讃線やJR西日本のいくつかの駅で列車発着時のメロディとして利用されています。また、愛媛県八幡浜市では、音の出る舗装としてこのメロディが採用されています。さらに、カマタマーレ讃岐というサッカーチームの応援歌の一部にも使用されており、地域に根付いた存在感を放っています。

歴史的評価

1998年にNHKが選出した「昭和の歌・心に残る歌200」では、この曲が7位にランクインしており、日本の音楽史においても重要な位置を占めています。歌の価値が時を経て失われることなく、今もなお多くの人々に愛されています。

2017年には、作曲家の平尾昌晃が他界し、彼の音楽葬で小柳ルミ子が「瀬戸の花嫁」を歌い上げ、葬儀を盛り上げる姿が印象的でした。この出来事もまた、曲が多くの人にとって特別な意味を持つことを示しています。

さて、この楽曲の収録曲の中には、「それでも川は流れる」もあり、こちらも平尾昌晃の作曲によるものです。

カバーアーティスト

「瀬戸の花嫁」は多くのアーティストによってカバーされています。例えば、1973年に沢田亜矢子がカバーし、1978年には石川さゆりもこの曲をアルバムに収録しました。さらに、近年ではオードリーや沢知恵など、多彩なアーティストによって幅広く親しまれています。

まとめ

「瀬戸の花嫁」は、愛の物語と共に美しい瀬戸内海の風景を思い起こさせる、心に響く名曲として、今もなお多くの人々に愛され続けています。その魅力は色あせることなく、後世にわたり語り継がれることでしょう。

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