瀬戸内海環境保全特別措置法

瀬戸内海環境保全特別措置法について

「瀬戸内海環境保全特別措置法」は、瀬戸内海の環境保全を目的として制定された日本の法律です。この法律は、瀬戸内海の美しい景観と豊かな生態系を守るために、様々な規制や対策を定めています。以下に、その詳細を解説します。

法律の概要

正式名称: 瀬戸内海環境保全特別措置法（昭和48年法律第110号）
施行日: 昭和48年11月2日
所管官庁:
主所管：環境省水・大気環境局海洋環境課閉鎖性海域対策室
副所管：環境省自然環境局自然環境計画課
連携：国土交通省、経済産業省、農林水産省、水産庁
関係府県: 京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県、大分県
連携都市: 大阪市、神戸市、岡山市、広島市

法律の目的

この法律は、瀬戸内海の環境保全に関する計画の策定、特定施設の設置規制、富栄養化防止対策、自然海浜の保全などの措置を講じることにより、瀬戸内海の環境を保全することを目的としています。（第1条）

基本理念

瀬戸内海は、日本だけでなく世界的にも類を見ない美しい景観と、貴重な漁業資源の宝庫であり、国民がその恩恵を享受し、後世に引き継ぐべきものであるとされています。（第3条）

法律の内容

政府は、瀬戸内海の環境保全のための基本計画を策定する義務を負っています。

この法律では、以下の内容が定められています。

1. 環境保全計画の策定:
瀬戸内海の環境保全に関する基本計画を策定し、その実施を推進します。
2. 特定施設の設置規制:
瀬戸内海の環境に悪影響を与える可能性のある特定施設の設置を規制します。
3. 富栄養化対策:
富栄養化による被害の発生を防止するための措置を講じます。
4. 自然海浜の保全:
自然海浜を保全するための措置を講じます。

制定の背景と経緯

1960年代から1970年代にかけて、高度経済成長に伴い瀬戸内海沿岸に産業や人口が集中し、水質汚濁が深刻化しました。そのため、1973年に「瀬戸内海環境保全臨時措置法」として制定され、その後、1978年に現在の名称である「瀬戸内海環境保全特別措置法」に改正されました。

当初は時限法でしたが、改正により恒久法となり、現在に至っています。

法律の構成

この法律は、以下の構成で成り立っています。

第1章：総則（第1条、第2条）
第2章：瀬戸内海の環境の保全に関する計画（第3条-第4条の2）
第3章：瀬戸内海の環境の保全に関する特別の措置
第1節：特定施設の設置の規制等（第5条-第12条の3）
第2節：富栄養化による被害の発生の防止（第12条の4-第12条の6）
第3節：自然海浜の保全等（第12の7-第13条）
第4節：環境保全のための事業の促進等（第14条-第19条）
第4章：雑則（第20条-第23条）
第5章：罰則（第24条-第27条）
附則

関連情報

関連項目

瀬戸内海国立公園
赤潮

外部リンク

瀬戸内海環境保全特別措置法施行令
瀬戸内海環境保全特別措置法施行規則
瀬戸内海環境保全基本計画
瀬戸内海環境保全臨時措置法の施行について
瀬戸内海環境保全臨時措置法の施行について
瀬戸内海環境保全臨時措置法施行規則第四条第一項の事前評価について
瀬戸内海環境保全臨時措置法第13条第1項の埋立についての規定の運用に関する基本方針について
瀬戸内海環境保全臨時措置法の一部を改正する法律の施行について
自然海浜保全地区制度の運用について
瀬戸内海環境保全特別措置法の概要 環境省
* 瀬戸内海環境保全特別措置法による対象区域 環境省



この法律は、瀬戸内海の環境を保全し、美しい自然を未来に引き継ぐために非常に重要な役割を担っています。関係各機関が連携し、法律に基づいた適切な措置を実施することにより、瀬戸内海の環境保全が推進されています。

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