瀬戸電気鉄道デキ1形電気機関車

瀬戸電気鉄道デキ1形電気機関車について

瀬戸電気鉄道デキ1形電気機関車（以下、デキ1形）は、1927年に新たに製造された直流専用の電気機関車です。この機関車は、当初はデキ1とデキ2の2両として登場し、昭和14年に名古屋鉄道（名鉄）との合併を経てデキ200形と改称されました。

デキ1形の基本情報

デキ1形は600Vの電力供給を受ける形で設計され、凸字型の外観が特徴的です。詳細なスペックは以下の通りです：

• - 全長：10,180mm
• - 全幅：2,530mm
• - 全高：4,015mm
• - 運転整備重量：30.5t
• - 出力：304kW（75kW×4基）
• - 軸配置：B+B
• - 動力伝達方式：歯車1段減速、吊り掛け式

この機関車は日本車輌製造で製造されましたが、主電動機には三菱電機製が使用され、その他の電装品にはウェスティングハウス製が含まれています。

運用と改良

デキ1形は、尾張瀬戸駅と堀川駅の間で貨物輸送を行い、地域の特産物である『せともの』を輸送する重要な役割を果たしました。貨物の内容は、堀川を通じて運ばれ、帰りは窯に必要な薪などを積載して復路を走っていました。

1939年には名鉄瀬戸線に移行し、基本的な構造に改良が加えられました。集電装置がポール式からパンタグラフに変更され、前照灯の位置も見直されましたが、運用の場は瀬戸線に留まり続けました。貨物輸送は1978年まで続き、大曽根駅での貨車の授受が行われていました。

廃車とその後

1978年の1月末に瀬戸線の貨物輸送が廃止されると、デキ1形はその後車両の運搬に使用されるようになりました。国鉄中央本線への貨物引込み線を経由して、他の1500V車両と共に輸送が行われています。その運搬は、DE10形ディーゼル機関車が牽引する編成を利用し、名鉄に引き渡された後、車両留置場所まで回送されました。

しかし、同年3月に瀬戸線が1500Vに昇圧されたことを受けて、デキ1形はその役目を終えることになり、1978年の3月に廃車となりました。

デキ1形のうち201号は、アメリカに寄贈される計画がありましたが、実現せず、南知多ビーチランドに静態保存されていましたが後に解体されました。一方、202号は瀬戸市に寄贈され、静態保存されていましたが、2022年に老朽化を理由に解体が決定。本機と共に同じく解体された名鉄モ760形電車と合わせて、公開イベントも行われました。

まとめ

デキ1形電気機関車は、日本の地方鉄道における重要な役割を果たし、地域の発展に寄与してきた存在です。その歴史は今も語り継がれ、鉄道愛好家たちにとって印象深い存在であり続けています。

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