火のくに物語り

『火のくに物語り』は、1980年5月5日にTBS系列で放映された「まんが日本昔ばなし」のテレビスペシャルとして制作された長編アニメーション作品です。通常の「まんが日本昔ばなし」とは異なり、90分という長尺で、5つの独立した物語で構成されています。日本の伝説や民話を基に、自然への愛をテーマに、古代の人々、神々、そして暗黒の世界から島を狙う魔人一族との壮大な戦いが描かれています。

あらすじ

物語の舞台は、日本の北の果てに位置するエゾが島。この島を舞台に、島に住む人々、彼らを守護する神々、そして島を侵略しようと企む大魔人一族との間で繰り広げられる壮絶な戦い、そして新しい国造りの物語が展開されます。

各部はそれぞれ独立した物語でありながら、全体を通して「自然への愛」という一貫したテーマが流れています。

第1部：神々が隠れる日食を利用して、信心深い島の人々を襲う大魔人の話。
第2部：日の神の子どもをさらう中魔人の話。
第3部：大魔人の弟であるタコ魔人を討伐するために、対立する村同士が協力する話。
第4部：神々への信仰を忘れた人々が災いに見舞われる話。
第5部：再び現れた大魔人と、神々との最終決戦を描いた話。

登場人物

バイカラ：島の勇敢な若者。大魔人や中魔人との戦いで中心的な役割を担います。
日の神：母なる神。島の人々から深く崇拝され、人々を守護しています。
月の神：父なる神。日の神と同様に、人々から崇められています。
大魔人：死の世界を支配し、島を侵略しようと企む魔人。
シコツ：山の精を助けたことで、再び現れた大魔人を倒すことができました。

キャスト

「まんが日本昔ばなし」と同様に、市原悦子と常田富士男の2人による掛け合いで物語が進行します。

市原悦子
常田富士男

スタッフ

作・監修：川内康範
企画：愛企画センター
製作：グループ・タック、愛企画センター
チーフ・ディレクター：小林三男
プロデューサー：中田実紀雄、川内彩友美
製作担当：金正廣、福本光郷
脚本・構成：沖島勲
美術：大山哲史（第1部）、高松良巳（第2部）、水野尾純一（第3部）、小関俊一（第4部）、門屋達郎（第5部）
演出・キャラクターデザイン・作画：フクハラ・ヒロカズ（第1部、第3部）、大竹伸一（第2部、第4部）、前田康成（第5部）
音響：田代敦巳
音楽：北原じゅん

主題歌

オープニングテーマ：「愛のメッセージ」
作詞 - 川内康範 / 作曲 - 浦田賢一 / 歌 - SHOT GUN
エンディングテーマ：「かあさん（マザー）」
作詞・作曲 - 川内康範 / 編曲 - 竜崎孝路 / 歌 - 関森れい、ミンツ

関連項目

大魔神

『火のくに物語り』は、「まんが日本昔ばなし」の枠を超えた、壮大で深みのある作品として、今もなお多くの人々に愛されています。

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