グループ・タック

株式会社グループ・タック：アニメ制作の軌跡と終焉

株式会社グループ・タック（英: Group Tac Co.,Ltd.）は、かつて存在した日本のアニメ制作[[会社]]であり、日本動画協会の正会員でした。

沿革

1968年3月、旧虫プロダクションの音響スタッフであった田代敦巳が、明田川進や杉井ギサブローらを誘い設立されました。当初は東京ムービーなどの作品の音響制作が中心でしたが、1975年制作の『まんが日本昔ばなし』（毎日放送）でアニメーション制作を開始しました。

事業内容は、アニメーション・コンピュータグラフィックスによる映画・ビデオ・テレビ番組・CMなどの企画・制作、音響制作と多岐にわたりました。『まんが日本昔ばなし』をはじめ、『銀河鉄道の夜』、『イーハトーブ幻想〜KENjIの春』など、過去の名作を基にした作品を手がける一方で、1990年代以降は従来の作風にとらわれない作品も発表しました。2008年には、代表取締役の田代敦巳が東京国際アニメフェアにて第4回功労賞を受賞しています。

しかし、得意としていたゴールデンタイムのアニメは少子化や表現規制の影響で衰退。2008年のリーマン・ショック以降はスポンサーの撤退が相次ぎ、受注が減少しました。2009年8月期の年収入高は約5億9600万円にまで落ち込み、新規受注の獲得やスタッフの削減に努めたものの、2010年7月に代表の田代が死去。社内体制の再構築が難航し、事業継続を断念することとなりました。同年8月31日に東京地裁へ準自己破産を申請し、9月1日に破産手続き開始が決定。負債総額は約6億5000万円に上りました。

破産時に制作中だった『はなかっぱ』はOLM・XEBEC（現シグナル・エムディ、現在はOLMが単独制作）に引き継がれました。また、『グスコーブドリの伝記』は手塚プロダクションが制作を引き継ぎ、2012年7月に公開されました。スタッフの一部はディオメディア、ボンズ、サテライト、T2 Studioなどに移籍しています。

破産時に社屋として使用していた建物は「KBDタックビル」として現存しており、タック時代の看板も残されています。

主な作品

テレビアニメ

まんが日本昔ばなし

劇場アニメ

銀河鉄道の夜
グスコーブドリの伝記

OVA

イーハトーブ幻想〜KENjIの春

関連人物

多くのアニメーター、演出家、プロデューサーがグループ・タックに関わっていました。

アニメーター・演出家

杉井ギサブロー（創業者）
林一哉
太田雅彦

制作

鬼丸一平（プロデューサー、メルヘン社創業者）
須賀信行（プロデューサー→行政書士、スタジオバルセロナ創業者）
米内則智（プロデューサー、ボンズ所属→Lay-duce創業者）

その他

田代敦巳（音響監督、創業者）
明田川進（音響監督、創業者）

グループ・タックのDNAを受け継ぐ会社

グループ・タックのスタッフ・OBが独立・起業した会社も存在します。

現在

アトリエムサ
トマソン
CJT
Lay-duce

過去

メルヘン社
スタジオバルセロナ

グループ・タックは、その短い歴史の中で、数々の名作アニメを世に送り出し、多くのアニメーターやクリエイターを育成しました。その功績は、現在もアニメ業界に深く根付いています。

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