火星14

火星14（かせい14）

火星14とは、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）によって開発された大陸間弾道ミサイル（ICBM）です。このミサイルは、特にその射程や技術的能力から国際的に注目を集めています。また、NATOのコードネームではKN-20と呼ばれています。

発射履歴

最初の発射

火星14の初の発射は、2017年7月4日早朝、日本時間の9時39分ごろに実施されました。この日は、北朝鮮の北西部に位置する平安北道の亀城付近から行われ、ミサイルは約40分間飛行した後、日本海の日本の排他的経済水域（EEZ）内に落下しました。

この発射を受けて、同日15時30分には朝鮮中央テレビが「特別重大放送」を行い、北朝鮮の最高指導者である金正恩が立ち会ったことを伝えました。ここでは、火星14が意図的に高い軌道（ロフテッド軌道）で打ち上げられたこと、また、その高度が2,802km、水平距離が933kmで39分間飛行した点が強調されました。これにより、北朝鮮は自国のICBMと核兵器を保有することができ、アメリカ合衆国の核の威嚇を終息させるとの声明も発表しました。

当初、アメリカの当局者はこの発射を中距離弾道ミサイル（IRBM）だと見なしていましたが、その後の詳細な分析により、「火星14」がICBMであることを認めました。射程に関しても、通常軌道での発射の場合、8,000km以上に達する可能性があるとの見解が示されたため、ハワイやアラスカを射程に含むことができる技術を持つとされました。

発射の翌日、北朝鮮は新型の第2段エンジンが使用されたことや、弾頭が大気圏再突入時の高温や振動に耐えられることが実証されたと発表しました。金正恩は、アメリカ独立記念日と同日に行った発射について「米国が非常に不快に思ったろう」と語り、さらなるミサイル発射を示唆しました。

2回目の発射

次の発射は、2017年7月28日23時41分頃に行われました。場所は慈江道舞坪里で、再度火星14が発射されました。このミサイルも日本海の日本の排他的経済水域に着弾しました。

前日の発射では、ミサイルがロフテッド軌道で高度3724.9km、水平距離998kmを47分12秒間飛行し、第2段エンジンの特性や改良された誘導・安定化システムの信頼性が確認されたとされています。通常の軌道で発射した場合の射程は9,000kmから10,000kmに届くとされ、ロサンゼルス、デンバー、シカゴなどを含む広範囲に影響を及ぼす能力を持つとの見方が示されました。この成功により、在日朝鮮人総聯合会からも祝賀の声が上がりました。

火星シリーズ

北朝鮮では、様々なミサイルを火星シリーズとして分類しています。スカッドBは火星5、スカッドCは火星6、ノドンは火星7、ムスダンは火星10として知られています。また、2017年5月に発射された中距離弾道ミサイルは火星12と命名され、2017年11月29日に発射されたICBMは、全米を射程圏に収めることから火星15と称されました。

このように火星14は北朝鮮のミサイル技術の重要な一部であり、国際社会における安全保障上の懸念を引き起こしています。

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