火星18

火星18（Hwasong-18）の概要と影響

火星18（かせい18、朝鮮語表記: 화성 18）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）によって開発された新型の大陸間弾道ミサイル（ICBM）です。このミサイルは2023年4月13日に初めて発射され、その姿は翌日、朝鮮中央テレビによって報道されました。この初回発射では、自国の安全を確保するために、速度や高度を段階的に変化させる変則的な軌道が採用されました。

火星18は、北朝鮮が初めて固体燃料を使用するタイプの大陸間弾道ミサイルであるとされています。推進薬にはコンポジット系固体燃料が使われていると推測され、三段階式の設計がされています。この新しい動きは、長距離攻撃能力の向上を意味しており、北朝鮮の軍事力の増強を象徴しています。

専門家による評価

マサチューセッツ工科大学の名誉教授セオドア・ポストルは、火星18がロシアのトーポリMに非常に似ていると指摘しています。彼の見解は戦略国際問題研究所（CSIS）の報告書にも反映されており、ポストルはロシアが先進的な長距離ロケット技術を国家間の安全保障に関わる約束を破りながら北朝鮮に提供した可能性を示唆しています。 朝日新聞の外交記者については、火星18の発射が北東アジアにおける安全保障の危機をさらに深刻化させるものであり、核非拡散条約（NPT）体制が堅持されるべきだと警鐘を鳴らしました。

一方、アメリカのジェームズ・マーティン不拡散研究センターは、CSISの報告書に対して、ミサイルの比較における誤りが存在すると指摘しています。その上で、ロシアの関与に関する兆候があることは無視すべきではないと強調しています。

発射の歴史

初回発射は2023年4月13日でしたが、発射後、北海道に着弾する可能性があるとして日本ではJアラートが発令されました。次の日、金正恩総書記はこの発射を視察し、その事実が朝鮮中央テレビで報じられました。2023年7月12日には、火星18の2回目の発射実験が行われ、これもまた金正恩の監督のもとで行われました。さらに、2024年1月5日には、弾道ミサイルの発射機製造工場が報道され、その背景には火星18を運ぶ輸送機が映っている様子が確認されました。

各国の反応

日本においては、初回発射後、松野官房長官が国連安全保障理事会の緊急会合を要請したことが報じられています。彼は北朝鮮の決議違反が続く中、国際社会の対応が不十分であることを強く非難しました。このような反応は、国際情勢が火星18を巡って緊迫していることを物語っています。

火星18の開発と発射は、北東アジアの安定を脅かす要因となりつつあり、国際的な安全保障の視点からも重大な意味を持っています。

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