火炎びんの使用等の処罰に関する法律

火炎びんの使用等の処罰に関する法律について

「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」（昭和47年法律第17号）は、火炎びんの製造、所持、使用といった行為を処罰するために制定された日本の法律です。この法律は、刑法に対する特別法として位置づけられ、国外での行為も処罰の対象となる点が特徴です。また、特別刑法の一つとして分類されます。

背景

戦後の日本では、暴動などで火炎びんが使用される事例が見られるようになりました。しかし、当時の爆発物取締罰則では、火炎びんを爆発物として規制することができませんでした。1956年の最高裁判決では、「火炎びんは爆発物に該当しない」と判断されたため、火炎びん自体を取り締まる法律が存在しない状況でした。そのため、議員立法によって「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」が制定されることとなり、火炎びんの製造、保管、運搬、所持、使用が処罰対象となりました。

法律の内容

この法律では、火炎びんを「ガラス瓶などの容器にガソリンや灯油といった引火しやすい物質を入れ、その物質が流出・飛散した際に燃焼させるための発火装置または点火装置を施したもので、人の生命、身体、財産に危害を加えるために使用されるもの」と定義しています（1条）。

火炎びんの製造や所持については、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。さらに、他者の財産や身体に危険を及ぼすような火炎びんの使用については、7年以下の懲役刑が科せられます。

法律の効果

本法律が施行される前の1972年1月1日から5月13日までの期間には、372本の火炎びんが使用されました。しかし、法律施行直後の1972年5月14日から12月31日までの期間では、火炎びんの使用件数が34本にまで減少しました。この結果を受けて、警察庁は1973年の警察白書において、「本法律の制定によって一定の効果があった」と評価しています。

関連情報

• - 関連項目:

- テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約

• - 外部リンク:

- ウィキソース：火炎びんの使用等の処罰に関する法律の原文
- 警察白書の該当ページに置き換えてください'>昭和48年警察白書 第7章 公安の維持

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