災害対策現地情報連絡員

災害対策現地情報連絡員（リエゾン）とは

災害対策現地情報連絡員、通称「リエゾン」は、地震、水害、土砂災害などの大規模な自然災害が発生した際に、被災した自治体へ国土交通省の職員が派遣される制度です。彼らは、被災地の状況を正確に把握し、災害情報の収集、そして災害応急対策の支援を主な任務としています。

リエゾンは、被災地の地方自治体と国の中央省庁との間で、情報の橋渡し役として機能します。被災地のニーズを迅速かつ的確に把握し、必要な支援をスムーズに提供することが、その重要な役割です。また、リエゾンは、災害対策本部の運営や、避難所の設置・運営、物資の輸送など、多岐にわたる災害対策活動を支援します。

主な国内派遣活動の事例

以下に、過去の主な派遣事例をまとめました。

2008年6月：岩手・宮城内陸地震
岩手県庁および宮城県庁へ派遣され、情報収集と災害応急対策を支援しました。栗原市、奥州市、一関市にも派遣が行われました。
2009年7月：平成21年7月中国・九州北部豪雨
山口県土木建築部へ職員2名が派遣され、情報収集と災害支援の連絡調整を行いました。
2009年8月：平成21年台風第9号
大分県へ派遣され、情報収集と災害応急対策を支援しました。
2011年3月：東北地方太平洋沖地震
青森、岩手、福島各県庁へ2名、宮城県庁へ4名が派遣され、その後、仙台市、釜石市、大船渡市、宮古市、陸前高田市、大槌町、名取市、気仙沼市、石巻市、東松島市、南三陸町、相馬市、いわき市などへも派遣されました。
2011年9月：平成23年台風12号
近畿地方整備局から災害対策現地情報連絡員が派遣され、自治体との情報共有、TEC-FORCEや災害対策用機械の派遣調整、相談受付などが行われました。延べ168名が派遣されました。
2012年3月：新潟県上越市板倉区国川地先の地すべり災害
北陸地方整備局から現地本部の国川公民館へ派遣されました。
2012年7月：平成24年7月九州北部豪雨
九州地方整備局から山鹿市、大分県、竹田市、五木村など20自治体へ派遣され、災害情報収集と災害応急対策を支援しました。
2013年8月：秋田・岩手豪雨
東北地方整備局から青森県庁、岩手県庁、岩手県紫波町、矢巾町、盛岡市、雫石町、花巻市、秋田県庁、秋田県大館市、仙北市へ派遣され、情報収集と災害応急対策を支援しました。
2014年7月：平成26年台風第8号
九州地方整備局から熊本県天草市、熊本県苓北町、熊本県庁、熊本県上天草市、鹿児島県庁、鹿児島県薩摩川内市、鹿児島県伊佐市、鹿児島県さつま町、鹿児島県湧水町、宮崎県庁等へ派遣され、災害情報収集と応急対策を支援しました。
2014年8月：平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害
中国地方整備局から広島市役所、広島県庁、広島市安佐北区役所へ派遣され、災害情報収集と応急対策を支援しました。
2014年11月：長野県北部地震
関東地方整備局から長野県と小川村へ派遣され、災害情報収集と応急対策を支援しました。
2014年12月：徳島県三好市、つるぎ町、東みよし町における雪害
四国地方地方整備局から三好市、つるぎ町、東みよし町へ派遣されました。
2015年7月：台風11号
近畿地方整備局から奈良県庁、和歌山県庁、紀宝町、野迫川村、十津川村などへ派遣され、災害情報収集と応急対策を支援しました。
2016年4月：平成28年熊本地震
九州地方整備局から熊本県庁、熊本市役所、益城町などへ派遣され、災害情報収集と応急対策を支援しました。
2016年8月：平成28年台風第10号
東北地方整備局、北海道開発局から1県15市町村へ派遣され、災害情報収集と災害支援に関する連絡調整を行いました。

関連事項

防災
災害復旧
地方整備局
緊急災害対策派遣隊 (TEC-FORCE)
* 災害対策用ヘリコプター

リエゾンの活動は、災害発生時の初動対応において非常に重要です。迅速な情報伝達と連携を通じて、被災地の復旧・復興を支える重要な役割を担っています。

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