炭山 (浦幌町)

炭山の歴史とその変遷

北海道十勝郡浦幌町にある炭山は、かつて炭鉱が栄え、多くの人々が暮らしていた地域です。郵便番号は089-5600で、現在は無住地帯として知られていますが、その歴史は非常に興味深いものです。炭山は別名「双運」とも呼ばれています。

地理的位置と背景

炭山は、浦幌市街の北東に位置し、浦幌駅からおよそ30キロメートル離れた山間部にあります。近隣の釧路市（旧音別町）との境界近くにあり、美しい自然環境に囲まれています。この地域は、河川である常室川の影響を受けた豊かな生態系が特徴です。

地名の由来

「炭山」という名称は、ここに存在した浦幌炭鉱が由来であり、炭鉱の繁栄を象徴しています。

浦幌炭鉱の開坑とその歴史

浦幌炭鉱は、元々古河鉱業が鉱業権を保有していましたが、1923年に大和鉱業に移管された後に開発が始まります。1917年には留真坑が開坑され、その後も常室坑や毛無坑が次々と開坑されましたが、残念ながら出炭成績は芳しくありませんでした。1919年から1923年にかけては、毛無坑から常室を経て浦幌駅までの馬車軌道が運行され、地域の発展を支える重要な役割を果たしていました。

1934年からは新たに双運坑の開発が進められ、さらには専用鉄道の敷設が計画されましたが、経営環境は厳しく、実現には至りませんでした。また、1936年には三菱鉱業に買収され、その傘下となりました。

三菱鉱業傘下の時代

三菱鉱業傘下となった後、浦幌炭鉱ではトラック輸送を行っていましたが、水害や雪害が影響し輸送ビジネスは安定しない状態が続きました。そのため、1938年に浦幌炭鉱から尺別までを結ぶ索道が設立されました。この索道では石炭だけでなく、18人乗りの人車も運行していましたが、冬季の天候不良が原因で事故も多発しました。

1944年には戦局の悪化に伴い、炭鉱活動が一時休止となりました。辛い時期の後、1947年に操業を再開しましたが、国家の経済状況により石炭業界は斜陽産業となっていきます。

雄別炭礦時代と閉山

1954年10月には浦幌炭鉱が閉山となり、その後も数年間は残った施設としてアパートや学校が存在しました。しかし、1967年に常室小中学校が廃校となると、この地域は完全に無住地帯となってしまいました。

現在の状況

現在、炭山跡地には「炭山みらいの森」として整備された遊歩道があり、訪れる人々に自然の美しさを提供しています。また、2024年には閉山70年を記念した企画展が浦幌町立博物館で開催される予定です。地域の歴史を伝えるこのイベントは、多くの人々に炭山の昔を思い起こさせることでしょう。

炭山の最後

1967年以降の炭山は、完全な無住地帯としての印象が強いですが、その歴史は炭鉱の繁栄と衰退を通じて地域社会の変遷を示すものであり、今後も人々の記憶に残ることでしょう。

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