烏帽子山 (黒部市)

烏帽子山は、立山連峰の主尾根である僧ヶ岳から北へ約4km伸びる烏帽子尾根上に位置する山です。この尾根を境に東側は黒部川流域、西側は布施川流域となっています。山頂からは、雄大な後立山連峰の山並みや、眼下に広がる黒部川扇状地の眺望を楽しむことができます。

烏帽子山の名前は、その山容に由来するとされています。しかし、実際には烏帽子のように目立った突起はなく、僧ヶ岳の山体の一部のように見えます。また、古地図には「日干山」と記載されていることがありますが、これは聞き違いによるものと考えられています。

烏帽子山への登山ルートは、嘉例沢森林公園から僧ヶ岳へ続く登山道を利用します。嘉例沢森林公園には駐車場とキャンプ場が整備されており、登山者はここから約3.5kmの道のりを進むことで山頂に到達できます。登山道は整備されていますが、ある程度の体力が必要となります。

烏帽子山は黒部市に位置しており、周辺には黒部峡谷などの自然豊かな観光地も点在しています。登山と合わせて、黒部の自然を満喫するのもおすすめです。

『富山県山名録』桂書房
『富山の百山』北日本新聞社