烏拉街沿江古城址

烏拉街沿江古城址について

烏拉街沿江古城址（ウラガイ・エンゴウ・コジョウシ）は、中華人民共和国国務院により「第七批全国重点文物保護単位」として認定されている歴史的な遺構が残る場所です。この登録は2013年に行われ、吉林省吉林市龍潭区に位置しています。本古城址は、大きく分けて富爾哈古城、大常古城、そして三家子古城という三つの城址から構成されています。

富爾哈城

富爾哈城は、別名「伏爾哈城」とも称される城で、満州語の文献には「フルハ・イ・ホトン」という形で登場します。ここで「フルハ」はおそらく地名を示しており、厳密には「フルハの城」という意味合いを持ちます。この城は金代に築かれ、その後も何度かの修繕を経て再利用されてきました。特に清朝時代の文献には、1612年の烏拉河の戦や1613年の烏拉城の戦に関する記録が見られます。

2007年には「富爾哈城址」として吉林省の省級文物保護単位として登録され、管理は吉林市文物管理処が行っています。現在、この城址は吉林市の烏拉街鎮から南へ約5kmの位置にあり、富爾村の北側、万家村の近くに位置しています。土地は富爾通河と松花江に挟まれているとされていますが、現在的には富爾通河の存在は地図上で確認できないため、正確な位置は不明です。

この城址はほぼ四角形をなしており、南側に一つの門があります。城壁は主に黄土で作られた煉瓦によって形成されており、周囲には視界を確保するための馬面や瓮城の構造、更に水堀の遺構も確認できます。全体的に保存状態は良好ですが、一部の壁に損傷が見られます。

大常古城と三家子古城

大常古城は、二つの角楼と三つの城門址が残っており、城壁の外には瓮城と水堀の遺構があり、現在の烏拉街満族鎮大常村に位置しています。

一方、三家子古城は、地元では「老城」や「小城子」として知られ、金代の城の建築を研究する上で貴重な考古学的資料となっています。三家子古城は現在の烏拉街満族鎮三家子村に位置し、1961年には吉林省の「省級文物保護単位」として登録されています。

このように、烏拉街沿江古城址は、歴史的な価値を持つ遺構が多く残る地点であり、その独特な文化的背景からも多くの訪問者を引き寄せています。各城址の調査や保存活動が進められており、今後もその重要性が認識され続けることでしょう。

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