烏拉部故城

烏拉部故城について

烏拉部故城（ウラ・ブ・コジョウ）は、中国吉林省吉林市龍潭区に位置するとされる古城の遺跡です。この場所は、2013年に中共国務院によって「第七批全国重点文物保護単位」に登録され、古代の文化遺産としての重要性が認められています。本記事では、烏拉部故城の歴史、構造、そして現状に至るまでの詳細な情報を解説します。

歴史的背景

烏拉部故城は、12世紀中頃の南宋紹興年間に起源を持つとされ、その後渤海国のスンガリー・ウラ地域に築城されました。大雨により城が崩壊したため、移築されたことが記録されています。その後、明朝の洪武年間（1395年）に、ウラナラ氏の始祖であるナチブルが新たな城を築き、ウラ・グルンという国家を形成しました。1600年代に入ると、ヌルハチがこの城を陥落させ、ウラ・グルンの歴史は終焉を迎えます。その後、清の康熙年間には新たに城が築かれ、「烏拉新城」と呼ばれました。

位置と地理情報

城址は吉林市中心部から北に約35kmの位置にあります。城の北には混同江が流れ、周囲には様々な地形が広がっています。

構造

烏拉部故城は、内、中、外の三層構造を持ち、総面積は約90万平方メートルです。外壁の周りには幅20mの水堀が設けられており、内部の城壁は土石混合構造であり、当時の建築技術が伺われます。特に内城は台形を呈し、壁の高さは4.2〜4.3mあり、解放された門からは重厚な花崗岩の階段が延びています。内城の中心には「白花公主点将台」と呼ばれる土台があり、地域の伝説に根ざした重要な場所です。

中城は不規則な四角形をした構造を持ち、保存状態が良好な壁と崩れた部分が混在しています。外城は更に広がりを見せつつも、浸食の影響を受けて部分的に損傷しています。

現況と文化的側面

1960年代以降、本城の保護活動が開始され、近年では重要な文化財としての認識が高まっています。しかし、自然災害や人為的な破壊が課題となっており、今後のさらなる保護活動が求められています。

文化遺産として数多くの価値のある遺物が発見されており、これにより烏拉部故城は明代の研究において意味深い位置を占めています。

結論

烏拉部故城は、古代の歴史や文化を今に伝える貴重な場所です。遺跡の保存と研究を通して、この地の豊かな歴史を後世に残す努力が続けられることが望まれます。

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