烏獲

烏獲（う かく、生没年不詳）は、中国の戦国時代、秦に仕えた将軍です。特に武王に仕え、その治世下で活躍しました。

経歴

烏獲は、任鄙（じんぴ）、孟賁（もうほん）と並び称されるほどの、並外れた怪力の持ち主として知られていました。伝えられるところによれば、彼は千鈞（約30000斤、現在の約15トン）もの重さの物を持ち上げることができたと言われています。この驚異的な力は、勇士を好んだ秦の武王の目に留まり、取り立てられることとなりました。

武王は、烏獲の怪力に大いに感銘を受け、彼を重用しました。任鄙や孟賁といった他の勇士たちと共に、烏獲もまた重要な役職に任命され、秦の政治や軍事において一定の影響力を持つようになったと考えられます。

紀元前307年8月、武王は洛陽において、孟賁と鼎を持ち上げる力比べを行いました。しかし、この力比べが悲劇を招きます。武王は鼎を持ち上げようとした際に脛骨を折り、大量に出血し、それが原因で亡くなってしまったのです。この時、烏獲もまた鼎を持ち上げており、その際、両目から出血したという逸話が残っています。

武王の死後、孟賁は罪を問われ、一族もろとも死罪に処されました。しかし、烏獲は80歳を超える高齢で亡くなったとされており、孟賁とは異なり、武王の死に対する直接的な責任を問われることはなかったようです。ただし、この点については史料が少なく、詳細は不明な部分が多いです。

烏獲の生涯については、断片的な情報しか残されていませんが、彼の怪力と、武王に重用されたという事実は、後世に語り継がれています。戦国時代の秦という時代背景の中で、烏獲のような特異な才能を持つ人物がどのように活躍し、どのような影響を与えたのか、更なる研究が待たれるところです。

参考文献

史記・范雎列伝
史記・甘茂列伝

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