烏稽侯尸逐鞮単于

烏稽侯尸逐鞮単于（うけいこうしちくていぜんう）は、後漢時代の南匈奴の単于であり、称号である。姓は虚連題氏（きょれんだいし）、名は抜（ばつ）という。

生涯

湖邪尸逐侯鞮単于（こやしちくこうていぜんう）の子として生まれる。

延光3年（124年）に兄の萬氏尸逐侯鞮単于（ばんししちくこうていぜんう）が亡くなったため、抜が烏稽侯尸逐鞮単于として即位した。同年夏、新たに降伏した一部族の大人（たいじん：部族長）である阿族（あぞく）らが反乱を起こし、呼尤徽（こゆうき）を脅迫して人質にとり逃亡しようとしたが失敗。妻子を連れて逃走した。中郎将の馬翼（ばよく）はこれを追撃し撃破した。

永建元年（126年）には、以前より朔方（さくほう）以西の障塞（しょうさい：砦）の大部分が修復されていなかったため、鮮卑（せんぴ）の侵略により漸将王（ぜんしょうおう）が殺害されるという事件が発生した。単于はこれを憂慮し、朝廷に上言して障塞の修復を願い出た。漢の順帝（じゅんてい）はその上言を受け入れ、辺境諸郡の兵を増員させた。

永建3年（128年）に亡くなり、弟の休利（きゅうり）（去特若尸逐就単于（きょとくじゃくしちくしゅうじゅうぜんう））が跡を継いだ。

参考資料

* 『後漢書』（南匈奴列伝）

もう一度検索