無名塾

無名塾の紹介

無名塾（むめいじゅく）は、日本の東京・世田谷区に位置する俳優養成所で、名優・仲代達矢が主宰を務めています。無名塾は、1975年3月に仲代の自宅稽古場に若い俳優たちが集まる形で自発的に始まりました。最初は非公式な集まりでしたが、1977年からは正式に塾生の公募が行われるようになりました。

無名塾の最大の特徴は、実力派俳優である仲代達矢から直接指導を受けられる点です。このため、塾生の選考は非常に厳しく、入塾審査の倍率は高く「劇団の東大」と呼ばれることもあります。無名塾では学費が無料という点も魅力の一つで、多くの優秀な俳優がここから巣立っています。

養成コースと訓練内容

無名塾の養成コースは全体で3年間にわたり、初年度は人格的な修練とともにプロ俳優としての適性を見極めるトレーニングが行われます。この間、塾生は自宅や下宿から稽古場に通うこととなっており、全寮制ではありません。また、塾生は原則としてアルバイトを行うことが禁止されていますが、必要な場合は個別の相談に応じてもらうことが可能です。

非常に多忙な稽古の傍ら、塾生たちは年に一度、石川県七尾市中島にある提携劇場「能登演劇堂」を起点に全国公演を行い、参加した出演者にはギャランティーが支払われます。また、並行して「秘演」と呼ばれる塾生による公演も開催されています。

文芸演出部の存在

無名塾には1993年から「文芸演出部」と呼ばれる特別な部門も存在しました。ここでは厳しいオーディションを経た選ばれた少数が入部し、宮崎恭子の指導を受けていました。しかし、1996年に宮崎が亡くなったことで、文芸演出部は1997年にその活動を終えることとなりました。彼らの中からは、石栗昌彦や大江祥彦といった演出家が輩出されています。

所属・出身俳優

無名塾は数々の著名な俳優を輩出しています。中でも、映画やテレビドラマ、舞台で活躍する役所広司、益岡徹、若村麻由美、真木よう子などは、その代表格です。また、声楽家としてミュージカルに出演する佐賀龍彦や演出家として活動を続ける石栗昌彦など、多方面で多才な人材が集う場となっています。

結論

無名塾は、仲代達矢のもとで多くの才能を育成してきた日本の名門俳優養成所です。学費が無料であることや、実力のある仲代から直接指導を受けられる希少な環境は、俳優を目指す若者にとって非常に大きな魅力となっています。

もう一度検索