無量寿寺 (知立市)

無量寿寺

無量寿寺は、愛知県知立市八橋町にある臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を八橋山と称し、三河新四国八十八ヶ所霊場の第四番札所となっています。その歴史は古く、慶雲元年（704年）に慶雲寺として創建されたと伝えられています。

歴史

寺伝によれば、弘仁12年（822年）に密円によって現在地に移され、真言宗の寺院として整備されました。その後、文化9年（1812年）には八橋売茶翁（方巌売茶翁）により再建が行われ、同時に杜若庭園も完成しました。大正2年（1913年）に本堂が焼失しましたが、大正6年（1917年）に再建されています。

境内

境内には、以下のような見どころがあります。

日吉山王社: 無量寿寺の創建と同時に、山門鎮護の神として日吉山王宮より勧請されたと伝えられています。
杜若庭園（八橋かきつばた園）: 江戸時代末期に方巌売茶によって整備された庭園。約13,000㎡の広さを誇り、16の池（約5,000㎡）には約3万本のカキツバタが植えられています。
八橋史跡保存館: 寺に伝わる文化財を保存・展示しています。
鶴田卓池の句碑: 俳人、鶴田卓池の句碑があります。

文化財

無量寿寺には、数々の文化財が所蔵されています。

愛知県指定文化財:
方巌売茶竹製笈: 江戸時代のもの。
知立市指定文化財:
杜若姫供養塔: 在原業平を追って命を絶ったとされる小野篁の娘、杜若を祀る供養塔。
亀甲碑（八橋古碑）: 荻生徂徠の弟子が在原業平の逸話を書き記した碑。
芭蕉連句碑: 安永6年（1777年）に松尾芭蕉が立ち寄った際の句を、下郷学海が建立した碑。

八橋かきつばた園

無量寿寺の所在地である八橋は、平安時代の歌人在原業平が伊勢物語の中で「かきつばた」の五文字を句頭に入れて歌を詠んだ地として知られています。花札の5月の10点札「菖蒲と八ツ橋」のモデルとも言われています。庭園には約3万本のカキツバタが植えられており、見頃を迎える4月下旬から5月下旬には「史跡八橋かきつばたまつり」が開催され、多くの観光客で賑わいます。

現地情報

所在地: 愛知県知立市八橋町寺内61番地1
アクセス: 名鉄三河線 三河八橋駅から徒歩約5分

無量寿寺は、歴史と文化、そして美しい自然が調和した魅力的な寺院です。カキツバタの見頃の時期はもちろん、四季折々の風景を楽しむことができます。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

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