無風選挙

無風選挙とは

無風選挙とは、一般的に、当選する候補者と落選する候補者が選挙前からほぼ決まっていると見なされる状況を指します。このような選挙では、有権者の関心が低く、投票率が低下する傾向があります。

無風選挙になりやすい状況

当選枠が有力候補で埋まっている: 当選できる議席数に対して、有力な候補者がすでに定員を満たしている場合、他の候補者が当選する可能性は極めて低くなります。
小選挙区制: 閣僚や党の要職にある大物政治家の選挙区では、その政治家の圧倒的な強さから無風選挙になりやすいです。
参議院二人区: 二大政党制が進むと、それぞれの党が1人ずつ候補者を擁立し、他の候補者が割って入るのが難しくなります。
地方自治体の首長選挙: 与野党が推薦する現職の首長が立候補した場合、対立候補が擁立されにくく、無風選挙となることがあります。

無風選挙における候補者の戦略

一見すると、無風選挙では選挙運動の意味がないように思えますが、候補者たちはそれぞれの目的を持って活動します。

有力候補: 当選はほぼ確実としても、得票数や得票率を高めることで、当選後の政治活動における影響力を増そうとします。多くの有権者の支持を得ることは、その後の活動を有利に進める上で重要です。
落選が確実な候補: 有力候補に対する不信任票を集めることや、特定の支持層の割合を把握することを目的とします。また、有権者の不満の受け皿となることで、予想外の善戦を見せることもあります。

無風選挙の指標

無風選挙の状態を測る指標として、次点候補者の惜敗率が用いられます。これは、最下位当選者の得票数を1とした場合に、次点候補者がどれだけの得票を得たかの割合を示します。惜敗率が低いほど、無風選挙の状態に近いと言えます。

無風選挙に関するその他の用語

信任投票: 事実上、候補者への信任を問う形式的な投票となることがあります。
無投票当選: 立候補者が定員と同数の場合、投票が行われずに全員が当選となります。
泡沫候補: 当選の可能性が極めて低い候補者のこと。
接戦選挙: 当落が最後まで分からないような、激しい選挙戦のこと。

無風選挙は、有権者の政治への関心を低下させる要因となることもありますが、候補者にとってはそれぞれの戦略を練る機会でもあります。選挙結果を注意深く分析することで、有権者の意思や社会の動向を読み取ることができます。

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