照國萬藏

照國 萬藏（てるくに まんぞう）

概要

照國萬藏（1919年1月10日 - 1977年3月20日）は、秋田県雄勝郡秋ノ宮村（現・湯沢市）出身の元大相撲力士であり、第38代横綱として知られています。本名は菅萬藏で、後に大野萬藏と名乗りました。彼はその名を伊勢ヶ濱部屋によく知られた存在となり、多くの記録を残しました。

来歴

秋田の怪童として

1919年に秋田県で生まれた照國は、初めは農家の子供として生活していました。彼の相撲の才能は早くから評判になり、特に体力を要する畑仕事を通じて力をつけていきました。1930年、母の遠縁である5代伊勢ヶ濱から相撲部屋への勧誘を受けるも、当初は逃げ回る日々が続きました。しかし、家計が苦しくなり、自身の体格を生かして生計を立てるために、最終的には伊勢ヶ濱部屋に入門することを決意しました。

初土俵からの迅速な昇進

1935年に初土俵を踏んだ彼は、四股名を同郷の力士からとりました。最初の頃はなかなか番付が上がらなかったが、エビオス錠の助けを借りて急成長し、新入幕を果たした1939年の場所では、11勝4敗の好成績を収めました。その後、虫垂炎の手術を経験し、一時は危険な状態に陥りますが、母の看病を受けて復帰。再び土俵に立った彼は、次の場所でも好成績を収め、わずか2場所で小結を経ずに関脇に昇進、その後大関にも昇進しました。

横綱昇進とその後

彼は、横綱昇進時に最年少という記録も持ち、1942年には双葉山を破る快挙を成し遂げました。その功績により、事実上の優勝者として横綱に昇進しました。横綱としても安定した成績を収め、1950年には悲願の初優勝を達成します。続けて全勝優勝も獲得し、名実ともに優れた横綱として認識されるようになりました。

引退後と晩年

1953年、健康問題から現役を引退した後は、年寄「荒磯」を襲名し、自らの部屋を経営。また、スカウト活動を行い、数多くの力士を育成しました。その後も日本相撲協会の理事として活動し、相撲界への貢献を続けました。1977年、急性心筋梗塞で急逝した彼は、58歳の短い生涯でしたが、その遺産は多くの力士たちに受け継がれています。

人物像

照國は異名「桜色の音楽」を持つほどの存在で、その取り口は見る者を魅了しました。相撲における安定感と一貫した成績は、ファンを虜にし、名横綱としての名を馳せました。体が肥満状態に移行したこともありましたが、これも彼が横綱として重要な役割を果たす要因であったと評されています。さまざまなエピソードが残されており、彼の人柄と実力は、相撲界における重要な存在となっています。

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照国萬藏は、その驚異的な成績や人柄から多くの人々に愛された横綱でした。相撲界の伝説として、その名は永遠に語り継がれることでしょう。

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