照錦富治

照錦富治（てるにしき とみじ）は、1911年6月15日に生まれ、1971年3月9日に59歳で亡くなった元力士です。現在の岩手県花巻市出身で、本名は照井富治（てるい とみじ）といいます。身長164cm、体重105kgと小柄ながらも、右四つからの寄りと下手投げを得意とし、その相撲ぶりは多くのファンを魅了しました。

1926年5月場所に伊勢ノ海部屋から初土俵を踏み、1932年5月場所に十両へ昇進しました。しかし、1937年に右腕の関節を痛め、さらに右大腿部を脱臼するという大怪我に見舞われ、一時的に三段目まで番付を落としました。それでも不屈の精神で鍛錬を続け、1940年1月場所には十両へ復帰を果たしました。その後、残念ながら入幕は叶いませんでしたが、1943年1月場所まで力士として土俵を務めました。

現役引退後は、年寄として後進の指導にあたりました。1943年1月に11代放駒を襲名、その後10代花籠、さらに放駒を再襲名しました。協会内では木戸主任を務め、相撲界の発展に尽力しました。

照錦の相撲の特徴は、右四つからの寄りと下手投げを得意としたことに加え、投げの打ち返しや引くと見せかけての投げなど、駆け引きの巧さにもありました。押し相撲も得意とし、多彩な技で観客を沸かせました。小柄な体格ながらも、その力強い相撲は多くの人々に感動を与え、記憶に残る力士の一人として語り継がれています。

主な成績

通算成績：89勝128敗12休　勝率.410
十両成績：48勝85敗　勝率.361
現役在位：24場所
十両在位：11場所

改名歴

照錦 富治（てるにしき とみじ）：1932年1月場所 - 1939年5月場所
照錦 富次（てるにしき とみじ）：1940年1月場所
照錦 富治（てるにしき とみじ）：1940年5月場所 - 1943年1月場所

年寄変遷

放駒 富治（はなれごま とみじ）：1943年1月 - 1952年1月
花籠 平五郎（はなかご ひらごろう）：1952年1月 - 1953年5月
放駒 政憲（はなれごま まさのり）：1953年5月 - 1971年3月

照錦富治は、その相撲人生を通じて、多くの困難を乗り越え、力士として、そして年寄として相撲界に貢献しました。彼の不屈の精神と相撲に対する情熱は、後世に語り継がれるでしょう。

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