熊代熊斐

熊代 熊斐について

熊代 熊斐（くましろ ゆうひ）は、1712年に生まれ、1773年に亡くなった江戸時代中期の日本の画家です。出身は長崎であり、江戸時代の南宋画の先駆者として、その技術と影響力は多大でした。彼は、沈南蘋から直接技法を学び、南蘋派として知られるスタイルを日本に広めることに貢献しました。

生い立ちと家系

熊斐の本姓は神代（くましろ）氏で、名は斐（あやる）です。彼は代々唐通事を務める神代家の養子として育てられました。21歳のとき、内通事小頭見習に就任し、その後小頭や稽古通事に昇進しましたが、役職は生涯低いままでした。彼の画家としてのキャリアは、この役職にとどまることなく、彼の才能を試す重要なスタート地点となりました。

画技の習得と修行

熊斐は最初に、唐絵目利御用絵師である渡辺秀石の門下で学びました。その後、享保17年（1732年）には長崎に滞在していた沈南蘋に師事します。入門のきっかけは、上司である大通事官の梅三十郎の口利きでした。さらに、沈南蘋の弟子である高乾からも教えを受け、日本人として沈南蘋の唯一の直弟子となります。以降、彼は南蘋流の彩色花鳥画の第一人者としての地位を確立し、多くの弟子を育ててその画風を国内に広めました。

画業と評価

熊斐の作品は、沈南蘋の作品に比べて得難かったため、彼の代用としての価値が評価されました。実際、彼の作品は多くの好事家に求められ、特に徳川宗勝は清から絹を取り寄せ、熊斐に描かせるほどの熱心さを見せました。

熊斐は、世俗に対しては無欲であり、彼の師である沈南蘋を生涯にわたって敬愛しました。また、娘婿の森蘭斎は『蘭斎画譜』という著作において、熊斐の小伝を残しています。彼の影響は弟子たちを通じ、ずっと受け継がれ、広がり続けました。

弟子たち

熊斐の門弟には、宋紫石、鶴亭、森蘭斎などが名を連ねます。また、彼の子息の熊斐文と熊斐明も画家としてその名を知られています。熊斐の教育と影響を受けた彼らは、熊斐の画風を引き継ぎ、さらに発展させることに寄与しました。

まとめ

熊代 熊斐は、その生涯を通じて南宋画の魅力を日本に広め、江戸時代の画壇において重要な役割を果たしました。彼の技法と作品は、今なお多くの人々に愛され、評価されています。熊斐が描いた彩色花鳥画は、彼の精神と技術を受け継ぐ弟子たちの手により、さらなる発展を遂げています。

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