熊本市上下水道局

熊本市上下水道局について

熊本市上下水道局は、熊本県熊本市内において水道の供給や排水業務を担っている地方公営企業です。また、同市南区の城南町藤山および鰐瀬の一部地域においては工業用水道の供給も行っています。この組織は市民の生活に欠かせない水の供給源として、安定した水の供給と下水処理を通じて地域の健全な生活環境の維持に貢献しています。

施設の概要

水源

熊本市は、一般的な大都市がダムを使用するのとは異なり、市内に49の水源地を持っています。これには休止中の水源も含まれ、特に公称取水能力が5,000立方メートル以上の水源地が重要です。八景水谷水源は、熊本県内で唯一「近代水道百選」に選ばれており、その重要性を示しています。

配水施設

熊本市の配水システムは、自然流下とポンプ圧送の2つの方法で構成されています。自然流下方式での主要配水場は、岩倉山（15,000m³）、徳王（10,500m³）、立田山（22,500m³）、高遊原（33,000m³）などがあり、これらは水の自然な流れを利用して配水されています。一方、ポンプ圧送方式では、健軍（24,000m³）や秋田（市内最大の40,000m³）が存在します。

下水処理

熊本市上下水道局は、5つの浄化センターと40か所のポンプ場を有し、浄化センターは中部、東部、南部、西部、城南町に配置されています。このように、同局は下水道に対しても十分な処理能力を持っており、地域の衛生管理を行っています。

熊本地震の影響

平成28年4月に発生した熊本地震では、上下水道施設にも大きな影響がありました。震度7を記録したこの地震により、非常に多くの施設が破損しました。

地震の直後である4月26日の期間において、日配水量は286,755立方メートルに達し、通常時の209,400立方メートルを大幅に上回りました。これにより、漏水が推定され、地震後の5月11日までに発見された漏水件数は3,689件に達しました。

また、下水道については、地震によって326か所の道路が陥没し、70か所のマンホールが隆起するなどの被害が reported されました。さらには、5つの浄化センターで90件の被害があり、ポンプ場では13か所、マンホールポンプでは5か所の被害がありました。

財務状況

平成27年度時点では、工業用水道の収益的収入が5,211千円、収益的支出が4,790千円であり、当年度の純利益は422千円でした。このように、財務的にも健全な運営が行われていることがうかがえます。

まとめ

熊本市上下水道局は、市民の生活基盤を支える重要な役割を果たしており、様々な施設やシステムを通じて水道の供給と下水処理を行っています。震災の影響を乗り越え、今後も持続可能な水環境の維持に努めていくことが求められています。

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