熊本県立矢部高等学校

熊本県立矢部高等学校：歴史と伝統を誇る学び舎

熊本県立矢部高等学校は、熊本県上益城郡山都町城平に位置する、県内でも有数の歴史を持つ県立高等学校です。済々黌高等学校、熊本商業高等学校に次ぐ歴史を誇り、1896年（明治29年）7月8日、浜町村外6カ村組合立矢部実業補習学校として開校しました。

2010年には、近隣の蘇陽高等学校と統合し、新たな矢部高等学校としてスタートを切っています。長い歴史の中で、幾度かの改編を経て、現在では普通科、食農科学科、林業科学科の3学科を設置し、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた教育を行っています。

教育理念と進路指導

本校の教育方針は、「心豊かで、創造力に富み、自然と郷土を愛する心身ともにたくましい通潤魂づくり」です。豊かな自然に囲まれた環境を活かし、地域社会への貢献を意識した教育活動に力を入れています。

進路指導においては、国公立大学、私立大学、短期大学、専門学校など、多様な進路への進学をサポートしています。多くの大学と指定校推薦枠を結び、生徒の希望進路実現を支援しています。就職希望者に対しても、高い就職率を維持しており、公務員や自衛隊への就職実績も多数あります。

活気ある部活動

部活動も盛んで、体育会系では男子バレー部、女子バスケット部、日本拳法部、陸上部、吹奏楽部などが活発に活動しています。また、近年増加傾向にあるボランティア活動にも多くの生徒が参加し、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

歴史的遺産：浜の館

学校の敷地内には、南北朝時代から天正年間にかけて阿蘇氏の拠点であった「浜の館」の遺構が残されています。1973年以降に行われた校舎改築に伴う発掘調査で、神殿や客殿、庭園などが発見され、黄金延板や白磁、青磁などの貴重な宝物が21点出土しました。これらの発見は、地元の伝承を裏付けるものとして大きな注目を集めました。

その他のエピソード

2008年に校長室で発見された古い掛軸は、テレビ東京の「開運！なんでも鑑定団」で鑑定され、清朝朝盛期の画家華嵒の真筆として1200万円の高評価を受けました。この出来事も、本校の歴史と伝統を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

沿革

本校は、1896年の開校以来、矢部実業補習学校、乙種農業学校、熊本県立矢部農業学校、熊本県立矢部農林高等学校と名称を変えながら、教育内容の充実を図ってきました。途中、馬見原分校（のちの蘇陽高等学校）の設置・独立を経て、2010年に蘇陽高校と統合し、現在の体制となりました。

2019年には、緑科学科を林業科学科に改組するなど、時代の変化に対応した学科改編も積極的に行われています。

アクセス

最寄りのバス停は「矢部高校前」です。熊本バス、山都町コミュニティバスを利用できます。また、高速バスのごかせ号も利用可能です。

まとめ

熊本県立矢部高等学校は、長い歴史と伝統、そして豊かな自然に恵まれた環境の中で、生徒一人ひとりの成長を支援する学校です。地域社会に貢献できる人材育成を目指し、これからも発展を続けていくことでしょう。

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