熊本県警察部

熊本県警察部

熊本県警察部（くまもとけんけいさつぶ）は、戦前の内務省の監督下にあった熊本県が設置した府県警察部であり、現在の熊本県警察の前身にあたる組織です。県内全域を管轄区域としていました。1948年（昭和23年）3月6日に廃止され、国家地方警察熊本県本部と熊本市警察などの自治体警察に再編されました。

沿革

熊本県警察部の歴史は、明治初期の混乱期から始まります。その変遷は以下の通りです。

1875年（明治8年）12月：白川県庁に第四課を設置。
1876年（明治9年）2月：白川県が「熊本県」に改称。
1876年（明治9年）10月：神風連の乱が勃発。この時期、治安維持が重要な課題となります。
1877年（明治10年）2月：西南戦争が勃発。県内も戦場となり、警察組織は混乱します。
1877年（明治10年）4月：熊本県第四課を廃止し、中央直轄の警視出張所を設置。一時的に中央政府の直接的な指揮下に入ります。
1877年（明治10年）10月：熊本県に第四課を再設置。再び県が警察組織を管轄します。
1879年（明治12年）10月：熊本県警察本署に改称。
1886年（明治19年）7月：熊本県警察本部に改称。
1890年（明治23年）10月：熊本県警察部に改称。
1905年（明治38年）4月：熊本県第四部に改称。
1907年（明治40年）7月：熊本県警察部に改称。
1928年（昭和3年）7月：特別高等警察課を設置。社会主義運動や労働運動など、社会情勢の変化に対応するための組織です。
1945年（昭和20年）10月：特別高等警察が廃止。敗戦に伴い、戦前の治安維持機構は解体されました。

このように、熊本県警察部は、時代の変化とともに組織の名称や機構を変化させてきました。特に、明治初期の混乱期や戦争など、社会情勢が不安定な時期には、組織の変更が頻繁に行われました。

組織

1928年（昭和3年）時点の組織は以下の通りです。

警務課：警察組織の運営や人事などを担当。
特別高等警察課：社会主義運動や労働運動を取り締まるための部署。
高等警察課：思想犯や政治犯を取り締まるための部署。
保安課：風俗営業や遊興施設などを取り締まるための部署。
衛生課：伝染病予防や食品衛生などを担当。
刑事課：殺人や窃盗などの犯罪捜査を担当。
警察署：県内各地の警察署を統括。


1928年（昭和3年）時点の管轄警察署は以下の通りです。

熊本北警察署
熊本南警察署
川尻警察署
三角警察署
高瀬警察署
荒尾警察署
南関警察署
山鹿警察署
植木警察署
隈府警察署
大津警察署
宮地警察署
高森警察署
小国警察署
御船警察署
木山警察署
浜町警察署
松橋警察署
原町警察署
八代警察署
宮原警察署
佐敷警察署
水俣警察署
人吉警察署
多良木警察署
本渡警察署
富岡警察署
牛深警察署
赤崎警察署

これらの警察署が、県内各地の治安維持にあたっていました。

歴代部長

歴代の部長については、詳細な情報が不足しているため、ここでは割愛します。

脚注

特になし

参考文献

熊本県警察史編さん委員会編『熊本県警察史 第1巻（明治編）』熊本県警察本部、1979年。
熊本県警察史編さん委員会編『熊本県警察史 第2巻（大正・昭和前期編）』熊本県警察本部、1982年。
熊本県警察史編さん委員会編『熊本県警察史 第3巻（昭和後期編）』熊本県警察本部、1986年。

関連項目

国家地方警察熊本県本部
熊本県警察

これらの関連項目を参照することで、熊本県警察部の歴史的な位置づけや、その後の警察組織の変遷についてより深く理解することができます。

もう一度検索