熊本県道298号阿蘇公園下野線

熊本県道298号阿蘇公園下野線：阿蘇の絶景を巡る道

熊本県道298号阿蘇公園下野線は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村から阿蘇市を経由し、再び南阿蘇村へと至る一般県道です。この道路は、阿蘇山の西側を麓から山頂へと駆け上がる、阿蘇観光に欠かせないルートとなっています。

概要

阿蘇公園下野線は、南阿蘇村中松を起点とし、草千里ヶ浜付近で阿蘇市を通過した後、南阿蘇村下野に至ります。この道路は、熊本県道111号阿蘇吉田線とともに「阿蘇パノラマライン」という愛称で親しまれており、阿蘇五岳を望む絶景が広がります。阿蘇山への西側からの登山道路として、多くの観光客や地元住民に利用されています。

歴史

阿蘇山への観光道路は、1957年に日本道路公団によって阿蘇登山道路が整備されたのが始まりです。しかし、この道路は阿蘇市坊中から南へ向かうルートであり、熊本市からの最短ルートが求められていました。

1963年、阿蘇市赤水と湯の谷・阿蘇山上を結ぶ既存の道路を改良し、有料道路として供用する計画が策定されました。翌1964年には県議会での議決と建設省の認可を得て着工、1億9,400万円の総工費をかけて同年12月に完成しました。そして、1965年1月21日に「阿蘇観光有料道路」として供用が開始されました。

無料化への道のり

先に供用開始されていた阿蘇登山道路の利用が好調で、早期の無料化が予測されたため、阿蘇観光有料道路の利用減が懸念されました。その対策として、熊本県は日本道路公団から阿蘇登山道路を移管し、両道路を合併採算とすることにしました。そして2000年、両道路は無料化され、一般県道として新たなスタートを切りました。

路線データ

起点: 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字中松（阿蘇山頂広場、熊本県道299号草千里浜栃木線起点）
終点: 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字下野（下野交差点、国道57号交点）

路線状況

愛称: 阿蘇パノラマライン
阿蘇山の中央火口付近まで北・南・西の三方から上る山岳道路の総称で、本県道である阿蘇公園下野線と熊本県道111号阿蘇吉田線を合わせた道路全体を指します。内輪山からカルデラ内のパノラマが広がる景観が魅力です。
重複区間:
熊本県道299号草千里浜栃木線（阿蘇郡南阿蘇村大字中松 - 阿蘇郡南阿蘇村大字河陽）
熊本県道111号阿蘇吉田線（阿蘇郡南阿蘇村大字中松 - 阿蘇市永草）
熊本県道149号河陰阿蘇線（阿蘇郡南阿蘇村大字河陽 - 阿蘇郡南阿蘇村大字下野）

地理

沿道にはススキが広がる原野が広がり、阿蘇を代表する景観である米塚が美しい円錐形を見せています。この道路からは、阿蘇山の雄大な自然を身近に感じることができます。

通過する自治体

阿蘇郡南阿蘇村
阿蘇市
阿蘇郡南阿蘇村

交差する道路

国道57号
熊本県道111号阿蘇吉田線
熊本県道149号河陰阿蘇線
熊本県道299号草千里浜栃木線

交差する鉄道

豊肥本線

沿線

阿蘇山
草千里ヶ浜（阿蘇市永草）
阿蘇火山博物館（阿蘇市永草）
米塚（阿蘇市乙姫）
杉養蜂園阿蘇みつばち牧場（南阿蘇村下野）
阿蘇ファームランド（南阿蘇村河陽）
阿蘇猿まわし劇場（南阿蘇村下野）

まとめ

熊本県道298号阿蘇公園下野線は、阿蘇の歴史と自然を感じられる道です。有料道路から無料化への変遷を経て、現在では多くの人々に利用されています。ドライブやツーリングで訪れる際には、阿蘇パノラマラインの美しい景観をぜひお楽しみください。

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