熊谷晋一郎

熊谷 晋一郎のプロフィール

熊谷晋一郎（くまがや しんいちろう）は、日本の医師であり、科学者としても知られています。1977年に山口県で生まれ、今では東京大学先端科学技術研究センターの准教授として活躍しています。専門は小児科学と当事者研究であり、2014年には東京大学で博論を取得しました。彼は、脳性麻痺を抱えながらも自らの経験を生かし、医療と科学の分野で独自の視点を提供しています。

略歴

熊谷は、新生児仮死の後遺症により脳性麻痺となり、現在も車椅子生活を送っています。小学校と中学校において統合教育を受け、山口県立徳山高等学校を卒業後、東京大学医学部に進学しました。卒業後は小児科医として病院に勤めた後、2015年からは東京大学での研究と教育に専念しています。彼のパートナーである綾屋紗月もアスペルガー症候群当事者であり、二人は共に障害者の視点に立った当事者研究を推進しています。

主な考え方

彼は、「自立とは依存先を増やすことである」という思想を持ち、障害者に必要な支援やつながりを重視しています。この考え方は、彼の研究や著作においても明確に示されています。熊谷は、自らの経験を通じて、障害のある人々が直面するさまざまな課題について理解を深めることに努めています。

受賞歴

2010年には、第9回新潮ドキュメント賞を受賞しました。受賞作品『リハビリの夜』は、障害者のリハビリテーションの重要性を取り扱ったものです。

著作活動

彼は著作家としても非常に多才で、多くの書籍を共著し、または編集者として参加しています。その中でも、以下の作品が特に注目されています：

• - 『発達障害当事者研究 ― ゆっくりていねいにつながりたい』（2008）
• - 『リハビリの夜』（2009）
• - 『つながりの作法 ― 同じでもなく 違うでもなく』（2010）
• - 『当事者研究の研究』（2013）
• - 『ひとりで苦しまないための「痛みの哲学」』（2013）
• - 『障害者運動のバトンをつなぐ』（2016）
• - 『小児科の先生が車椅子だったら ― 私とあなたの「障害」のはなし』（2019）

これらの著作は、障害についての理解を深化させ、当事者の視点での研究の重要性を伝えるものとなっています。

メディア出演と影響

熊谷は、テレビや雑誌など多くのメディアにも出演しており、その発言や活動は社会に大きな影響を与えています。また、NNNドキュメントに出演し、障害者支援に関する問題提起を行っています。

博士論文

彼の博士論文は『当事者研究に関する理論構築と自閉症スペクトラム障害研究への適用』というタイトルで、当事者研究の視点から新しい知見を提供するものとなっています。

まとめ

熊谷晋一郎は、障害と向き合いながらもその知見を医療や教育の現場に生かすことで、多くの人々に希望と示唆を与えています。彼の活動は、障害者の権利や自立支援の重要性を広める上で欠かせないものとなっています。

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