熊野尾鷲道路

熊野尾鷲道路の概要

熊野尾鷲道路は三重県に位置し、尾鷲市坂場西町にある尾鷲南インターチェンジ (IC) から熊野市大泊町の熊野大泊ICまでの延長が18.6キロメートルの自動車専用道路です。この道は国道42号の付随道路として設けられていて、近畿自動車道紀勢線（E42）に並行しています。

この道路の開通は、特に雨が多い山間部を通る国道42号と国道311号での通行規制を軽減する目的があります。これらの国道では、悪天候による土砂災害の危険があるため、雨量が一定以上になると通行止めとなるケースが多々あります。こうした交通の混乱は物流や緊急車両の通行にも影響を与え、多くの人々の生活に支障をきたしていました。このため、熊野尾鷲道路は悪天候時の代替路線として重要な役割を果たしています。

歴史的背景

熊野尾鷲道路は1996年に事業化され、2008年には尾鷲南ICから三木里ICまでの区間が開通しました。その後、2013年には三木里ICから熊野大泊IC間も開通し、2014年には賀田ICがフルインターチェンジとして供用を開始しました。2012年度には尾鷲北ICと尾鷲南ICの間（熊野尾鷲道路（II期））が事業化され、2021年に全線が開通しました。これにより、尾鷲市と熊野市のアクセスが大幅に向上しました。

道路の仕様

熊野尾鷲道路では、基本的に設計速度が80km/hで、一部制限速度が70km/hに設定されています。この道路は4車線の設計ですが、暫定的に2車線で運用されています。熊野尾鷲道路（II期）は、設計速度が60km/hに設定されており、同様に4車線（暫定2車線）で対応しています。

インターチェンジと周辺施設

熊野尾鷲道路には、尾鷲南IC、三木里IC、熊野大泊ICの各インターチェンジが設けられています。特に、尾鷲南IC附近には尾鷲南パーキングがあり、休憩スポットとして利用されていますが、現時点では休憩施設が他にはありません。

トンネル

道路の形状を考慮し、いくつかのトンネルも設置されています。例えば、新尾鷲トンネルは718メートルと長く、アクセスのスムーズさを確保しています。さらに、他にもいくつかのトンネルが存在し、これらは悪天候時の通行確保に寄与しています。

環境への配慮

周辺地域にはヤマネという小動物の生息域があり、道路建設に伴い専門家による調査が実施されるなど環境保護にも配慮されています。特に、森林を分断する構造物に対しては、小動物が移動できるように木製の筒を連結した「アニマルパスウェイ」が設置され、トンネル周辺にはヤマネが好む樹木が植えるなどの配慮がなされています。

まとめ

熊野尾鷲道路は、三重県内の重要な交通路として、地域の発展や災害時の孤立回避に貢献しています。その機能は今後ますます重要性を増していくでしょう。

もう一度検索