燐寸少女

燐寸少女（マッチショウジョ）

『燐寸少女』（マッチショウジョ）は、鈴木小波による日本の漫画作品。アンデルセン童話『マッチ売りの少女』をモチーフとし、『ヤングエース』（KADOKAWA）にて2012年から2017年まで連載されました。2016年には実写映画化もされ、単行本第3巻の発売を記念してアニメPVも制作されています。

あらすじ

物語は、モテたい、人の心を覗きたい、ずっと一緒にいたいといった、様々な妄想を抱く人々のもとに、謎の少女リンが現れるところから始まります。リンは、寿命1年分と引き換えに、妄想を現実に変える「妄想燐寸」を売りつけ、姿を消します。

妄想燐寸を手に入れた人々は、自分の願望を満たすためにそれを使用しますが、妄想は願望の一端に過ぎず、予期せぬ副作用や、他の者の強い願望との衝突により、取り返しのつかない結果を招くこともあります。しかし、中には妄想燐寸を使うことで自分の本心に気づき、それを捨てる者もいます。

この漫画は、そんな妄想燐寸を巡る人々の悲喜こもごもを描いた、一話完結形式の作品です。

登場人物

リン
演 - 佐藤すみれ
主人公。白髪赤目で三つ編みの髪型をした無表情な少女。どこからともなく現れ、妄想燐寸を人々に売りつけます。
内藤勇実
演 - 小林豊
原作第4話「東京タワー」に登場。田仲かの子との東京タワーデートが終わらないことを妄想します。
氏家治
演 - 本田剛文
原作第1話「妄想と願望」に登場する秋津に相当する人物。女子から嫌われる存在でしたが、妄想燐寸によってモテたいという妄想を現実化します。
岸田叶人
演 - 小野賢章
原作第3話「心の裏」に登場する岸田裕子に相当する人物。美術を学ぶ学生で、人の心を覗きたいという妄想を妄想燐寸で実現します。
田仲かの子
演 - 美山加恋
原作第4話「東京タワー」に登場。突発的なわがままで内藤を振り回します。
蝶野葉子
演 - 上野優華
原作第1話「妄想と願望」に登場。保健委員を務める動物好きな女子。
高橋由香
演 - 唯月ふうか
原作第3話「心の裏」に登場。 뛰어난 画才を持つものの、何者かに絵を切り刻まれる被害に遭っています。
友野晴美
演 - 森迫永依
映画版のみに登場する、高橋由香の友人。
亀山翔吾
演 - 尾関陸
原作第1話「妄想と願望」に登場する七節に相当する人物。元は女子に人気のあるフェロモン男子でしたが、妄想燐寸によって悪臭を放つ体になってしまいます。
橋本純
演 - 御伽ねこむ
亀山翔吾（七節）と関係を持ちますが、悪臭を放つようになった彼を見捨てます。
藤波創一
演 - 岡幸二朗
原作第3話「心の裏」に登場する藤田レイ子に相当する人物。岸田や高橋が所属する学校で美術を教えています。
おじいさん
演 - 大石吾朗
重病で入院しているおばあさんのことを心配し、途方に暮れていたところをリンと出会います。
おばあさん
演 - 丘みつ子
重病で入院しています。

書誌情報

鈴木小波 『燐寸少女』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、全6巻

2014年11月4日発行、ISBN 978-4-04-102230-6
2015年7月4日発行、ISBN 978-4-04-103080-6
2016年3月4日発行、ISBN 978-4-04-103863-5
2016年6月4日発行、ISBN 978-4-04-103864-2
2017年2月4日発行、ISBN 978-4-04-105350-8
2018年2月2日発売、ISBN 978-4-04-103080-6

映画

原作漫画第1話「妄想と願望」、第3話「心の裏」、第4話「東京タワー」の三篇をベースに再構築した映画。
「心の裏」は原作の主要人物二名を男性に変え、結末についても大幅な変更を加えているものの、「妄想と願望」、「東京タワー」については概ね原作を踏襲した内容となっています。
リン役の佐藤すみれは、本作が初の単独主演作品となりました。

スタッフ

原作 - 鈴木小波（KADOKAWA『ヤングエース』連載）
監督 - 内田浩
脚本 - 石川北二
主題歌 - 空想委員会「二重螺旋構造」

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