父二峰村

父二峰村の概要

父二峰村（ふじみねむら）は、日本の愛媛県上浮穴郡に存在していた村で、1959年（昭和34年）に自治体として運営を終了しました。その歴史を閉じた後も、村の名は久万高原町にある小学校に引き継がれています。

地理

父二峰村の位置は、現在の久万高原町の西北部にあり、地形は四国山地の中に位置しています。土佐街道（現在の国道33号）から西方に続く地域で、山を一つ隔てた位置にあります。周辺地域との交通手段は限られており、峠道を通らなければならないため、アクセスはやや不便です。主な峠道には、サレガ峠、真弓峠、下坂場峠があります。

村名の由来

「父二峰村」という村名は、明治時代に実施された町村制の時に、旧村であった父野川、二名、露峰からそれぞれ一文字を取って名付けられた合成地名です。このようにして創られた名称は、村の歴史を反映しています。

地域・集落

二名川の流域には小規模な集落が点在しており、山間部のため平地は限られています。ここでは水田が営まれ、地域住民の生活が続けられてきました。村内には、露峰、二名、父野川の三大字があり、これらの地域は昭和や平成の町村合併を経てもその名を残しています。1910年（明治43年）には、村の人口はおよそ2,673人でした。役場は二名に置かれ、過去には父二峰尋常高等小学校という学校も開校されていましたが、現在は小規模ながら近くの地域が中心となっています。

歴史

父二峰村の歴史は藩政時代から始まります。元々、大洲藩の領域にあり、近隣の松山藩との境界付近であり、数々の騒動に巻き込まれた記録も残っています。具体的には、寛延3年に起こった内ノ子騒動により、村の集落も影響を受けました。

明治時代の廃藩置県後、大洲県が設けられた期間もありました。1889年4月1日には露峰村、二名村、父野川村が合併し、父二峰村が成立しました。そして1959年の12月15日、久万町との合併により自治体としての歴史を終えます。

行政と教育

当時の父二峰村の役場は大字二名に設置され、歴代村長も数名いました。村の教育施設としては、父二峰小学校が設立され、その後久万高原町立として現在も教育が行われています。

産業

地域の主要な産業は林業と小規模な農業で、米、小麦、とうもろこしなどが生産されています。また、養蚕や畜産も行われており、地域の生活を支えています。

交通

交通面では、土讃本線と接続する省営バスが運行され、村内では1935年からバスサービスが始まりました。また、弘法大師が通ったとされる大洲−久万街道もこの地域を貫通しており、古くから重要な道として使われてきました。

結論

二峰村は独自の歴史と文化を持ちながらも、自治体としての活動を1959年に終えました。それでもその名は小学校などに継承され、今も地域の人々の記憶に残っています。

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