片原町 (高松市)

片原町（かたはらまち）

香川県高松市の中心部に位置する町丁。高松市役所から約0.6キロメートルの都心にあり、行政上の住居表示に関する法律に基づく表記は導入されていません。郵便番号は760-0040です。

地理と特徴

片原町は、高松中央商店街を構成する片原町商店街（市道片原町沖松島線）を軸に、その北側と南側に広がる東西に細長い両側町です。町域の大部分を占める片原町商店街は、全長およそ450メートルに及ぶアーケード付きの自転車歩行者専用道路となっており、日々多くの買い物客や通行人で賑わっています。歴史的には、高松城下を起点とする主要な街道のうち、志度街道と長尾街道がこの道筋を経由していました。常磐橋（現在の丸亀町ドーム北側付近）から東へ進み、通町でそれぞれの方面へ分岐していました。

戦後、1948年（昭和23年）には町内を東西に横断する形でことでん琴平線（通称：築港線）が敷設されました。アーケードの北側に位置することでん片原町駅は、商店街と直接繋がっており、交通アクセスにおいて重要な結節点となっています。

人口・世帯と都市計画

2015年の国勢調査によると、片原町の人口は299人（男性140人、女性159人）、世帯数は169世帯です。面積は約2万6018.6平方メートルで、人口密度は約1万1491.7人/平方キロメートルとなっています。町内の公立小学校・中学校の校区は、全域が高松第一小学校・中学校（小中一貫校）に指定されています。

都市計画法に基づき、町域の全てが商業地域に指定されています。建築物の容積率は、ことでん琴平線よりも西側が500%、東側が400%に定められています。

再開発事業

ことでん片原町駅西口から町域にかけての一帯は、「片原町駅西地区市街地再開発事業」の施工区域に指定されています。商店街の両側に面する第三街区においては、1997年2月に市街地再開発組合が設立され、2002年2月には地上13階建ての再開発ビル「むうぶ片原町」が完成しました。このビルは香川県内で初めて法定再開発事業として実施された施設建築物であり、1階から4階には高松市生涯学習センター「まなびCAN」が入居し、5階から13階は94戸の分譲マンションとして利用されています。

町名の由来と歴史

「片原町」という町名は、かつて町の北側が高松城の外濠に面しており、人家を建てられるのが南側のみ、つまり「片側だけ」の町であったことに由来すると伝えられています。高松城下でも古い歴史を持つ町の一つと考えられており、当初は「片町」と呼ばれていたようです。寛永17年（1640年）頃の城下町絵図には既に「かたはら町」と記されています。

江戸時代には、西福寺（現在の清光寺）のほか、修験者の名を冠した愛行院（旧称：長命寺）という寺院が存在しましたが、明治維新により廃寺となりました。また、現在百間町にある華下天満宮は、かつて長命寺の住持が増圭が菅原道真を偲んで自画像を祀ったことに始まります。後に生駒親正が高松城築城にあたり同社の霊験を得たことから、城の鎮守として信仰され、神社としては珍しく城に向けて北向きに建てられました。

明治時代に入り文明開化が進むと、1872年（明治5年）には郵便取扱所が設置され、1877年（明治10年）には芝居小屋「延寿閣」が開業し、大阪歌舞伎などが上演されました。その後、1907年（明治40年）頃には「玉藻座」と改称して活動写真館（映画館）となりました。1897年（明治30年）頃には華下天満宮境内に小劇場「肥梅閣」も建てられましたが、こちらも後に映画館に改装されています。

1890年（明治23年）2月15日、城下町の各町を統合して高松市が誕生し、片原町はその一部となりました。1900年（明治33年）の高松港竣工に伴い、片原町と兵庫町に面する高松城の外濠の一部が埋め立てられ、次第に北側にも商家が立ち並ぶようになります。さらに1910年（明治43年）には完全に埋め立てられ、同時に下水道工事も行われました。

1945年（昭和20年）7月4日未明には、アメリカ軍による高松空襲により町内全域が壊滅的な被害を受け、灰燼に帰しました。戦災からの復興を目指し、高松市中心部の大部分で土地区画整理事業が施行され、片原町もその対象となりました。西部が第一工区一次、東部が第一工区二次として区画整理が行われ、町内の多くの街路が拡幅・改良されました。この区画整理の最終手続きである換地処分公告は、第一工区一次が1958年（昭和33年）7月10日、第一工区二次が1964年（昭和39年）1月25日に行われています。

また、町の境界も変遷を経ており、1958年（昭和33年）7月11日には町域の一部が百間町に編入される一方、通町および丸亀町の各一部が片原町に編入されました。その後、1964年（昭和39年）1月26日には再び町域の一部が通町へ編入されています。

主要施設

町内には、以下のような主要施設が点在しています。

三越アネックス
くつ和堂本店
ジュエル・ヒラタ片原町店
中国料理北京
高松信用金庫片原町支店
清光寺
高松市生涯学習センターまなびCAN
アイゼン片原町店
* デイリーヤマザキ高松片原町店

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