片山伯耆流

片山伯耆流の歴史と特徴

片山伯耆流（かたやまほうきりゅう）は、片山久安（またの名を片山伯耆守）を流祖とする、居合や剣術を基盤とした武道の流派です。この流派は、片山家によって「片山流」や「一貫流」として知られていますが、一般的には「片山伯耆流」または「伯耆流」として呼ばれています。特に、「磯波」という概念が重要視されており、特定の技としても受け継がれています。

流派の創始者である片山久安は、伯父の松庵から秘剣の技を学び、それを基に京都の愛宕神社で「貫」の啓示を受けたとされています。これにより、片山伯耆流は誕生しました。流派は、居合と小具足（柔術）を伝承していましたが、特に片山家が仕えていた岩国藩ならびに隣接する長州藩を除くと、居合のみの内容が広まっていました。

1944年（昭和19年）には、第8代宗家である片山武助が流儀の伝承を断念することとなり、以後、現代に伝わるものは岩国藩と長州藩以外の系統からのものであります。

現在、熊本藩系の伯耆流星野派が広く行われており、これは熊本藩で活動していた星野家の星野実員によってもたらされました。実員は数日間、片山家の元で武者修行を行い、その後、養子の星野実寿（星野龍介）も片山家を訪れ、目録を授かりました。このようにして熊本藩における伯耆流も独自の形で発展を遂げました。そのため、星野派は伯耆流系の中でも最も新しい流派として認識されています。

現在、伯耆流星野派では、表の抜きに関して6本、中段の抜きに関して9本の技のみが演武として公開されています。これらの技を学んだ後、表五箇条から始まる片山家の伝承内容を学ぶことになります。

さらに、「伯耆流柔術」と名乗る流派も存在していますが、これは片山伯耆流の小具足術を基にした現代の復元版です。岩国系の技術が含まれているため、正確には「片山流」と称するのが正しいのですが、伯耆流居合の普及に伴い、他地域での名称である「伯耆流」を使用するようになりました。後に片山家の子孫からもその使用に関する許可を得ています。

このように、片山伯耆流は多くの流派に影響を与えながら、今なお生き続けている伝統的な武道の一つです。流派の理念や技術は、日々の稽古を通じて今後も受け継がれていくことでしょう。

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