片山栄次

片山 栄次の生涯と野球の道

片山栄次（かたやま えいじ）は、1917年1月5日に静岡県で生まれました。彼はプロ野球選手として知られる一方、その経歴は特異なものです。なぜなら、彼は高校野球を経験せずにプロの世界に足を踏み入れた数少ない選手の一人だったからです。

彼の野球人生は、小学校の頃から始まります。静岡市立安西小学校を卒業後、全静岡でのプレーを通じて才能を磨いていきました。また、小学校の先輩である上野精三が彼にとってのロールモデルであったことも、彼の成長に寄与したことでしょう。

プロ野球入りと活躍

1936年、片山は大東京軍の結成に参加します。当初、彼は内野手としてプレーし、三塁手や遊撃手としての役割を果たしました。しかし、同年のシーズンが終了すると、彼は戦争に召集され、野球から遠ざかります。1943年に復員した後、彼は大和軍に入団。選手が不足していたため、彼は投手としても登録されることになります。

1943年の4月3日、名古屋戦で開幕投手に抜擢され、彼はエースとしてチームを支えました。大和軍は当時、リーグの中で下位に位置していましたが、片山は12勝を挙げ、防御率も2.17という素晴らしい数字を記録し、ベスト10に入賞しました。しかし、彼にとってそのシーズンは苦難の連続で、19敗という成績を残しました。それでも彼はチームの勝ち頭としての役割を果たしました。また、シーズン終了後に開催された第7回職業野球東西対抗戦にも東軍選抜として選出されたことから、その実力がうかがえます。

戦後の野球人生

戦後の1946年、片山は社会人野球のいすゞ自動車に加入しました。このチームでもエースとして都市対抗野球に出場しますが、初戦で全神戸に大敗を喫するなど厳しい状況が続きました。また、河野安通志が設立した東京カッブスにも参加していましたが、残念ながらチームは連盟に加入できず、解散してしまいました。

片山栄次は、その独特の経歴と才能で、静岡県出身の野球選手の一例として、また投手や内野手として数多くのファンの記憶に残っている選手です。彼の献身的なプレースタイルと厳しい環境の中で掴み取った栄誉は、今でも多くの人々に語り継がれています。彼のプロ野球に対する情熱と努力の姿勢は、後に続く世代の選手たちにとっての手本となることでしょう。

もう一度検索