片岡弥吉

片岡弥吉

片岡弥吉（かたおか やきち、1908年1月12日 - 1980年2月21日）は、日本の日本史学者であり、特にキリシタン研究において多大な貢献をしました。長崎県に生まれ、日本大学を卒業後、カトリック教徒として長崎におけるキリスト教布教史、キリシタン研究に深く携わりました。

業績

片岡弥吉は、長崎におけるキリスト教の歴史、特に禁教期におけるキリシタンの信仰生活や弾圧の歴史について詳細な研究を行い、数多くの著作を発表しました。彼の研究は、単なる歴史的事実の記述に留まらず、キリシタンの信仰や精神性に深く迫るものでした。

1964年には、著書『浦上四番崩れ』で日本エッセイストクラブ賞を受賞しました。この作品は、明治政府によるキリシタン弾圧事件である浦上四番崩れを詳細に描き出し、大きな反響を呼びました。

教育活動

片岡弥吉は、研究活動と並行して教育者としても活動しました。1951年より純心女子短期大学（現在の長崎純心大学）で助教授、後に教授、副学長を務め、後進の育成に尽力しました。

家族

実娘であるSr.片岡千鶴子、Sr.片岡瑠美子は、それぞれ長崎純心聖母会の修道女として活動し、前者は長崎純心学園理事長、後者は長崎純心大学学長を務めるなど、教育界で活躍しています。他にも多くの子女がいます。

著書

片岡弥吉は、生涯にわたり数多くの著作を発表しました。主な著書としては、以下のようなものがあります。

高山右近大夫長房伝（1936年）
信仰に輝く日本婦人達（1941年）
少年少女のための日本キリシタン物語（1948年）
聖フランシスコ・ザビエル物語（1949年）
永井隆の生涯（1952年）
長崎の殉教者（1957年）
日本キリシタン物語（1958年）
浦上四番崩れ 明治政府のキリシタン弾圧（1963年）
長崎のキリシタン（1964年）
長崎のキリシタン 信者発見物語（1964年）
長崎のキリシタン使徒たち（1991年）
高山右近（1964年）
河浦町郷土史 第4輯 天草学林とアルメイダ（1964年）
かくれキリシタン 歴史と民俗（1967年）
踏絵 禁教の歴史（1969年）
ある明治の福祉像 ド・ロ神父の生涯（1977年）
日本キリシタン殉教史（1979年）

これらの著作は、キリシタン研究における重要な文献として、現在でも広く参照されています。没後も全集や関連書籍が出版され続けており、その研究は今日においても高く評価されています。

参考文献

片岡弥吉全集（智書房）
* その他、各著書の奥付

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