片男波部屋

片男波部屋の概要

片男波部屋（かたおなみべや）は、日本相撲協会に所属し、二所ノ関一門に属する相撲部屋です。この部屋は1961年に設立され、伝統を大切にしながら力士の育成に努めています。現在、所属力士は少数ですが、稽古は質が高いと評価されています。

設立の歴史

片男波部屋は、1961年1月場所限りで現役を引退した12代片男波（元関脇・玉乃海）が、19人の内弟子を集める形で設立しました。彼はその後、二所ノ関部屋から独立するために分家しましたが、当初は内弟子たちの移籍が保留されたままでした。この状況は1年間続きましたが、12代片男波は業を煮やし、1962年5月に内弟子たちの移籍届を日本相撲協会へ提出しました。

これに対抗する形で、当時の師匠である8代二所ノ関は、移籍に関与した力士たちの廃業届を提出し、両者の対立が深まりました。廃業届が提出された力士たちは、本場所に出場できなくなり、当時の師匠が仲裁に入りました。その結果、8代二所ノ関は廃業届を取り下げることに合意し、力士たちの翌月からの移籍を認めました。

しかし、廃業届を提出した力士たちは番付が大きく下げられ、不出場期間は休場扱いとなりました。このため、力士たちの移籍は翌年まで延び、ようやく玉嵐らの片男波部屋への移籍が認められました。

発展と成長

移籍が実現した後、12代片男波は玉乃島（後の横綱・玉の海）を育て上げ、1971年に玉の海が急逝した後も、関脇・玉ノ富士や小結・玉輝山、小結・玉龍などの力士を育てました。12代片男波は1987年9月に逝去し、その後は11代湊川（元関脇・玉ノ富士）が13代片男波を襲名し、部屋を継承しました。13代片男波も多くの有望な関取を育成しました。

さらに2010年には、15代楯山（元関脇・玉春日）が13代片男波と名跡交換を行い、部屋の師匠として就任しました。現在の片男波部屋は、小規模ながらも充実した稽古を行っていると報じられています。

近年の成果

2019年1月には、玉鷲が幕内最高優勝を果たし、その後48年ぶりに部屋から優勝者が誕生しました。また、2020年には中川部屋からの弟子と呼出を受け入れ、新たな力士を迎え入れました。2021年には、放駒部屋から床山を受け入れるなど、活発な活動を行っています。

部屋の伝統として、所属する力士の四股名には、12代片男波の現役時代から取った「玉」という字をつけることが慣例となっています。

所在地と師匠

片男波部屋の所在地は東京都墨田区石原1-33-9で、JR総武線両国駅から徒歩15分の距離にあります。これまでの師匠には、12代片男波太三郎、13代片男波大造、14代片男波良二などがいます。

旧・片男波部屋

片男波部屋の歴史は古く、初めて確認できるのは1846年にさかのぼります。以降、いくつかの再興や閉鎖を繰り返す中で、現在の片男波部屋が継承されています。過去の部屋には直接的なつながりがない場合もありますが、相撲の歴史において重要な役割を果たしてきました。

片男波部屋は、相撲界における独自の伝統と精神を持ちながら、力士たちの成長を支援している部屋として、多くの人々に認知されています。

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