片野彦二

片野彦二

片野彦二（かたの ひこじ）は、1928年4月5日に愛知県で生まれ、2012年10月17日に亡くなった日本の経済学者です。国際経済学を専門とし、特に開発経済学の分野で多くの業績を残しました。

学歴と職歴

片野彦二は、1952年に名古屋大学経済学部を卒業しました。その後、神戸大学経済経営研究所で助手として研究活動を開始し、1957年には助教授に昇進しました。1970年には、「発展途上国における最適成長径路の決定に関する研究」で神戸大学から経済学博士号を授与されました。1971年には神戸大学の教授となり、1991年に定年退官するまで教鞭を執りました。神戸大学退官後は名誉教授となり、名古屋学院大学で教授として教鞭をとりましたが、2000年に退任しました。

研究内容

片野彦二の研究は、国際経済学の中でも特に発展途上国の経済問題に焦点を当てたものが多く、経済計画、最適成長、国際貿易、開発援助など、多岐にわたるテーマを扱いました。特に、発展途上国における経済計画の理論や最適成長経路の研究は、彼の主要な研究テーマであり、その成果は多くの著作として発表されました。

主な著書

片野彦二は、数多くの著書を出版しており、その一部を以下に示します。

『生産と分配に対する貿易効果の分析』（神戸大学経済経営研究所, 1961）
『インドにおける経済計画の理論』（アジア経済研究所, 1966）
『経済計画と最適成長 発展途上国の経済計画理論』（千倉書房, 1969）
『発展途上国における最適援助必要額の推計 インドの事例』（アジア経済研究所, 1970）
『援助必要額の推計 パキスタンの事例』（アジア経済研究所, 1971）
『アジア諸国の社会資本 医療・教育施設拡充必要度の推計』（アジア経済研究所, 1973）
『教育に関する直接社会費用の推計 タイの事例』（アジア経済研究所, 1975）
『ASEANと日本経済』（アジア経済研究所, 1977）
『破局からの脱出 世界経済を動かす日本へ』（ダイヤモンド社, 1977）
『エネルギー小国日本の活路 迫られる中成長経済への移行』（ダイヤモンド社, 1979）

これらの著書は、発展途上国の経済計画や成長戦略、援助政策に関する貴重な知見を提供し、国際経済学の研究において重要な貢献をしました。

編著・翻訳

片野彦二は、編著や翻訳の分野でも活躍しており、経済学の国際的な知識の普及に努めました。

『経済統合理論の系譜』（編、アジア経済研究所, 1970）
Staffan Burenstam Linder著『発展途上国の貿易と貿易政策』（藤井茂監訳、池本清,村上敦共訳、日本評論社, 1968）


片野彦二は、教育者としても多くの学生を育成し、その研究は日本の経済学界に大きな影響を与えました。彼の業績は、今日の国際経済学、特に開発経済学の研究において、重要な基盤となっています。

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