千倉書房

株式会社千倉書房について

株式会社千倉書房（ちくらしょぼう）は、日本の著名な出版社で、出版者記号は8051です。この会社は1929年4月3日に、当時日本評論社で編集長を務めていた千倉豊によって設立されました。当初は厳しい経済状況が続いていましたが、同年9月には井上準之助の著作『国民経済の立直しと金解禁』が大ヒットし、37万部を突破するベストセラーとなったことで、社業の発展に繋がりました。

出版の理念と展開

千倉書房は「商業大学開放」という理念のもと、商学や経営学研究の成果を広くビジネス界に還元し、日本の経済活性化を目指しています。このスローガンは、当時の三商大（東京商科大学、神戸商業大学、大阪商科大学）での研究成果を共有するために設けられたものです。出版社として、同社はビジネス関連の書籍を中心に、商業全集、経営学大系、工業経営全書、会計学大系など、大型の出版企画を成功させ、商学や経営学を含む多様な分野での地位を確立しました。

出版分野の多様性

現在、千倉書房は経営学や商学に加え、電子書籍や絵本など、広範なテーマを取り扱っています。さらに、近現代史、日本政治、国際関係、地域研究、さらには防衛や安全保障といった多様な分野においても積極的に出版活動を行っています。

歴史的背景

千倉豊社長時代（1929-1953年）

最初の発行は1929年で、創業の年に25冊以上の著作を刊行しました。その中には高田保馬の『價格と獨占』や小泉信三の『マルクシズムとボルシェヰズム』などがあります。また、1936年には高橋是清蔵相の自伝や、近衛文麿の論集も発表され注目を集めました。

千倉悦子社長時代（1953-1988年）

1953年に社長に就任した千倉悦子のもと、様々な学術賞を受賞する著作が続々と登場します。『ビジネスレビュー』という機関誌も創刊され、商業界での研究成果を発信する場としての役割を果たしています。

近年の発展

2004年からの社長交代以後、千倉書房はさらに事業を拡大し、多角的な出版を行っています。新たな賞を受賞する著作を生み出し続け、近年ではアジア・太平洋賞やサントリー学芸賞など、名だたる賞を獲得しています。2022年には新たなオフィスへ移転し、さらなる成長を目指しています。

現在のスタンス

千倉書房は、今後も多様な分野での知的創造を促進し、質の高い出版を続けることを目指しています。著者や研究者との連携を強化し、情報発信や知識の普及に寄与することを通じて、ビジネス社会や学術界における重要な存在であり続けることを誓っています。

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