牛島 (山口県)

牛島の概要

牛島（うしま）は、山口県光市の沖合に浮かぶ瀬戸内海の離島で、室津半島の西側に位置しています。室積港からは定期旅客船が運航しており、訪れるのは比較的容易です。この島は、特徴的な北西に開いたV字形をしており、その集落はV字の内部に広がっています。牛島の周囲は12kmで、海岸線のほとんどは断崖になっていますが、東岸には長さ約900mの玉石の海岸である平茂海岸があります。

歴史的背景

牛島は、かつては垣島と呼ばれており、平安時代には牛の放牧が行われていたことからその名が変わったと考えられています。特に、牛牧（うしのまき）という地域名がその起源にあたります。

自然環境

この島は、瀬戸内海で唯一のカラスバトの生息地として知られ、全域が鳥獣保護区および特別保護地区に指定されています。また、南側にはモクゲンジという植物が多く見られ、この群生地は山口県の天然記念物に指定されています。このように、牛島の自然環境はとても独特で貴重なものとなっています。

地元の資産

波止（防波堤）は昭和初期まで利用者の組合によって管理されており、その建設には地域の人々が力を合わせて取り組んだとされています。この波止の景観は、2004年に土木学会および2009年に国土交通省から評価を受け、文化財としての価値が認められています。

行政と人口

牛島は1889年に室積村となり、1906年には室積町、1943年には光市に組み込まれました。2017年の時点で、島の人口は32世帯49人と少なく、65歳以上が9割以上を占めています。このように高齢化が進んでおり、島の未来に対する懸念が寄せられています。

医療と教育

1961年に牛島診療所が開設され、当初は地域医療が行われていましたが、2017年には常勤医が退職し、診療日数が縮小されました。教育面では、光市立牛島小学校と中学校がかつて存在しましたが、1999年以降は休校にされ、2005年には廃校となっています。現在、島内には学校は存在しません。

文化と信仰

島には、1871年に田布施町から移転した教念寺があり、また1549年には牛島八幡宮も建立されています。これらの施設は、地域住民の信仰や文化を象徴する存在としての役割を果たしています。

交通アクセス

牛島への交通は、牛島海運による室積港との定期航路が重要です。旅客船「うしま丸」が1日3往復し、島へのアクセスを便利にしています。

牛島はその独自の自然環境や歴史的背景を持ち、その魅力は訪れる人々に多くの体験を提供しています。

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