牧場の少女カトリ

『牧場の少女カトリ』

『牧場の少女カトリ』は1984年1月から12月まで放送されたフジテレビ系列のアニメで、全49話で構成されています。これは日本アニメーションが制作し、世界名作劇場シリーズの第10作目です。

概要

本作の原作はフィンランドのアウニ・ヌオリワーラによる『牧場の少女』で、彼女の祖母の少女時代を基にした物語です。フィンランドの20世紀初頭を背景に、母と離れた少女カトリが祖父母と暮らしながら牧場で働く物語が描かれています。日本では1952年に森本ヤス子がこの作品を紹介しましたが、1980年代当時の日本ではあまり知られていませんでした。

アニメ版では、時代設定が原作よりも65年後に変更され、多くの独自の設定や展開が加えられています。カトリは多くの人々と出会い、成長しながら、自身の将来に対しての夢や希望を抱くようになっていきます。彼女の努力が周囲に感銘を与える様子や、1960年代に放送された『おしん』と比較されたこともあり、当時の視聴者に印象深い作品となりました。

舞台設定と時系列

物語は1915年春から1918年夏までの南フィンランドを舞台に展開します。カトリの母親サラがドイツで出稼ぎに行き、戦争に巻き込まれ音信不通となる中、9歳のカトリは家計を助けるためにライッコラ屋敷で働くことを決意します。彼女は家畜番として初めての奉公に出て、働きながら成長していく様子が描かれています。

あらすじ

物語はカトリが幼い頃、母親が出稼ぎに行くところから始まります。音信不通になり、家計が困窮する中、カトリは祖父母に預けられ、農場で手伝いを始めます。様々な出会いを通じて、カトリは自分の未来や夢について考え始めます。そして、彼女は多くの人々との関わりの中で、情熱を持って成長してゆくのです。最終的には、母と再会することができるまでになり、多くの学びを得たカトリの姿が感動を呼びます。

主な登場人物

• - カトリ・ウコンネミ: 本作の主人公で、9歳の少女。責任感が強く、努力家である。
• - アベル: カトリの愛犬。牧場でのカトリの良き相棒。
• - マルティ・ハルマ: カトリの友人で、勉強に励む姿勢がカトリに影響を与える。
• - ユリス・ウコンネミ: カトリの祖父で、彼女を温かく見守る。
• - サラ・ウコンネミ: カトリの母。出稼ぎ先で戦争に巻き込まれる。

スタッフ

本作の制作には多くの優れたスタッフが関与しました。プロデューサーは松土隆二、監督は斎藤博が務めており、脚本には宮崎晃が携わっています。音楽は冬木透が担当し、シベリウスの作品をBGMとして使用しています。また、主題歌やエンディングテーマも評価されています。

文化的背景

物語が展開する中で、フィンランドの歴史的な背景や文化が色濃く反映されています。季節の移り変わりや、フィンランド特有の自然に触れる場面が多く、視聴者に深い感動を与えています。

総評

『牧場の少女カトリ』は、困難な時代の中で成長する一人の少女の姿を丁寧に描いた作品です。彼女の努力と友情、そして家族愛が何よりも大切だというメッセージが、多くの人々の心に響くことでしょう。

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