牧野忠成 (越後長岡藩初代)

牧野 忠成（まきの ただなり）

牧野忠成は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将であり、後に越後国の大名として知られる存在です。彼は上野国の大胡藩の第2代藩主であり、越後国では長峰藩と長岡藩の初代藩主も務めました。また、官位は従四位下・侍従に任じられました。

忠成は牧野一族の中で、戦国時代から江戸時代への橋渡し役として重要な役割を果たしました。後に譜代大名としての地位を確立し、257年間にわたる長岡藩政の基礎を築きました。

生涯と業績

忠成は天正9年（1581年）、三河国宝飯郡の牛久保に生まれました。父、康成に仕え、徳川家康の元で忠誠を誓いました。忠成の名前は、徳川秀忠からの偏諱を受けて名付けられました。

慶長5年（1600年）、関ヶ原の戦いを前に、父と共に徳川秀忠に従い上田城の真田氏を攻撃しますが、この攻撃は失敗に終わります。忠成はこの失敗による責任を問われますが、父康成の弁護もあり、後に復帰を果たします。

その後、忠成は1609年に父から大胡藩を継承し、1614年には大坂冬の陣、1615年には大坂夏の陣に際し徳川軍として戦いました。彼は特に大坂夏の陣では奮戦し、勝利に貢献しました。

元和2年（1616年）、忠成は越後国長峰に5万石の加増移封を受け、長峰城を築城しました。さらに、1618年には長岡に6万余石の加増もあり、ここで越後長岡藩として立藩します。忠成は直寄の居城を拡充し、新たに長岡城を完成させました。

彼の死と影響

1642年には家康の死去を受けて長岡の支配を強化し、領地の安定を図りました。忠成の死去は1654年12月であり、享年74歳でした。彼の葬地は長岡藩領内であり、曹洞宗の普済寺に埋葬されています。この寺には彼の木像も安置されています。

家族と系譜

忠成の家族は多岐にわたり、5男3女をもうけました。長男の牧野光成は早世しましたが、他の子供たちもそれぞれ異なる道を歩みました。特に弟の秀成との関係も注目され、秀成は忠成の留守を守って家臣団の信頼を得ていたとされています。その一方で、家制度にはさまざまな緊張があり、後に彼は粛清されました。

忠成の名と功績は、越後長岡藩の歴史において深く刻まれています。彼は戦国時代の混乱を背景に、新しい時代の幕開けを見守る大名として、また、家族と土地の後継者を育んできた存在として、今なお語り継がれています。

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