牧野貞成

牧野 貞成について

牧野貞成（まきの さだなり）は、戦国時代に活躍した武将で、主に東三河地方で国人領主として知られています。彼の通称として民部丞、右馬允、新二郎が挙げられます。父の牧野成勝から牛久保城主の地位を継ぎましたが、実際には成勝の養子として育ちました。彼の祖父は牧野成種（出羽守）で、成種の子孫としての血筋に誇りを持っていました。

概要

貞成は牛久保城を中心に三河国宝飯郡にまたがる支配領域を持っており、東三河地方における国人の一人として力を発揮していました。しかし、永正3年（1506年）に今川氏が東三河に進出すると、彼自身の父である成勝の代においても、既に今川氏の影響下に置かれていました。以降、貞成は松平氏や今川氏、織田氏、さらにまた今川氏や徳川氏に従属し、時に離れたりしながら、その立場を変えざるを得ない状況が続きました。特に弘治2年（1556年）2月には、今川義元によって牛久保城から追い出され、親今川派の牧野成定にその座を奪われる事態に至ります。

生涯

貞成は三河牧野氏の一員として、成種の次男として生まれました。彼は牛久保城主である成勝の養子として成長し、天文年間の早い時期に成勝の城主の地位を引き継いだと考えられていますが、その正確な年は不明です。初期には父と共に今川氏に忠誠を誓っていましたが、氏輝の幼少期に当たる時期には、その間隙をついて自らの独立を図る動きを見せます。しかし、松平清康が東三河に侵攻すると、貞成は再度松平氏のもとに従属しました。

松平清康の死を経た後も、貞成は今川氏に戻ることを選びました。天文15年（1546年）には、今川氏が貞成の兄の要求に応じ東三河に出兵した際、かつての牧野氏の城であった吉田城を取り戻しますが、約束された城の返返却が行われず、貞成は今川氏に対しての不満が募ることとなります。この遺恨から、後に牛久保城を離れ、遠江国の朝比奈紀伊守のもとに身を寄せるとともに、静かな生活を送ることに決めたとされています。

弘治2年（1556年）には、織田信長と結んだ吉良義昭からの招きで西尾城に入りましたが、再び今川義元によって追われることとなります。その後、永禄3年（1560年）に今川義元が桶狭間の戦いで戦死すると、貞成は再び岡崎城に戻ることとなります。最終的には、永禄5年（1562年）に牛久保城主の地位には復帰せずに他界しました。法名は月江常心大禅門であり、葬られたのは愛知県新城市庭野の曹洞宗龍岳院です。

系譜

貞成の家系については、父が牧野成種、母については不詳ですが、養父は牧野成勝です。彼の生涯には顕著な変化があり、兄とされる牧野保成との関係も深いものとされています。また、子にあたる牧野成行は、さまざまな称号を持ち、彼自身の子孫に続く重要な存在でした。

伝説や異説においては、牧野成定、貞成、成守が同一人物であるとする説もあり、複雑な系譜が様々な立場から検討されています。これらの歴史的背景により、貞成は単なる武将としてではなく、彼に関連する多くの人物との関係や、当時の社会状況を反映した人格として、歴史上に名を刻むこととなります。

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