特別とん税

特別とん税について

特別とん税（とくべつとんぜい）は、日本における間接税の一種であり、特別とん税法に基づいて課されます。この税は、外国貿易船が開港へ入港する際に地方公共団体に財源を提供することを目的としています。特別とん税は、港湾施設などの行政サービスに対する応益的な税とも考えられていますが、特定の財源ではなく、港湾予算との関連は薄いのが特徴です。

特別とん税は、応益税の一種として解釈されることもあります。この場合、応益税は行政サービスの受益者に対する課税と考えられていますが、物に着目して課税する物税としての側面も持ち合わせています。また、特別とん税は、不開港に対しては課されず、代わりに不開港入港手数料が求められます。これは、関税法第100条第1項によるもので、支払い額はとん税と特別とん税の合計と同水準です。

特別とん税の歴史

特別とん税は、1957年（昭和32年）に外航船に対する固定資産税が軽減された際に、市町村への代替財源として新たに設けられました。この税から得られる収入は、特別とん譲与税法に基づいて、毎年9月と3月に開港の港湾施設がある市町村に配分されます。

この税制においては、納税義務者は外国貿易船の船長ですが、税関長の承認があれば運航者や代行者が納税義務者になることも可能です。しかし、この場合の実際の例は少ないとされています。

課税基準と税率

特別とん税の課税標準は、外国貿易船の純トン数によって決まります。具体的な税率は以下の2通りです：
1. 開港への入港ごとに納付する場合：1トンごとに20円
2. 開港ごとに1年分を一時に納付する場合：1トンごとに60円

また、2020年度の改正により、国際基幹航路に就航する外国貿易船が国際戦略港湾に入港する際、1年分を一時に納付する場合の税率が半額の1トンごとに30円となる特例も設けられました。

なお、とん税と特別とん税は別々の税ですが、課税標準は同じで、端数計算や延滞税の計算時には共同で扱われます。

税収の推移

特別とん税の税収は、ここ数年でやや波がありました。財務省の統計によると、令和4年度には11,987万円の収入があり、令和3年度は11,710万円、令和2年度は11,488万円となっています。税収の変動は、外航船舶の運営状況や経済の流動性に依存しています。このように、特別とん税は地方自治体の財源として重要な役割を担っています。これからも、税率や制度の見直しがなされる可能性があるため、注視が必要です。

関連項目

• - とん税
• - 便宜置籍船
• - 税関

参考文献

特別とん税に関する法律や資料は、財務省や専門書等にて確認することができます。

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