特別牛乳

特別牛乳は、乳等省令に基づき、特別な許可を受けた施設で製造される無調整牛乳です。この記事では、その定義、歴史、厳しい規格基準、そして現在の生産地について詳しく解説します。

特別牛乳とは

特別牛乳とは、乳等省令（乳及び乳製品の成分規格等に関する省令）によって特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設で製造された無調整牛乳で、特別牛乳として販売されるものです。通常の牛乳に比べて、特に優れた飼育環境や特別な牛乳処理施設が求められます。そのため、日本全国でも製造している施設はごくわずかです（2018年10月現在で4か所）。

歴史

特別牛乳の制度は、アメリカ合衆国のcertified milkを参考に、1933年（昭和8年）に内務省の牛乳営業取締規則の改正によって制定されました。その後、1947年（昭和22年）12月には食品衛生法に引き継がれ、現在に至っています。

規格および基準

特別牛乳として販売されるためには、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令で定められた以下の厳しい基準を満たす必要があります。

無脂乳固形分：8.5%以上
乳脂肪分：3.3%以上
細菌数（標準平板培養法で1ml当たり）：30,000個以下
大腸菌群：陰性
特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設で搾取した生乳を処理して製造すること
殺菌する場合は63℃-65℃の間で30分間加熱殺菌すること
処理後（殺菌した場合は殺菌後）ただちに10℃以下に冷却し保存すること

これらの基準は、牛乳の品質と安全性を確保するために非常に重要です。

現在の生産地

2015年3月時点で、特別牛乳を製造している施設は以下の4か所です。

想いやりファーム（旧：中札内村レディースファーム） - 北海道河西郡中札内村：日本で唯一の無殺菌牛乳を生産しています。
雪印こどもの国牧場 - 神奈川県横浜市
クローバー牧場 - 京都府木津川市
白木牧場 - 福岡県嘉麻市：ジャージー牛乳を生産しています。

これらの牧場では、特別な飼育環境と徹底した品質管理のもとで、高品質な特別牛乳が生産されています。

過去の生産地

過去には、以下の施設でも特別牛乳が生産されていましたが、現在は生産を終了しています。

チチヤス
東毛酪農業協同組合根利牧場
中部乳業

まとめ

特別牛乳は、厳しい基準と特別な管理体制のもとで生産される、高品質な牛乳です。現在では限られた場所でしか製造されていませんが、その希少性と品質の高さから、多くの人に愛されています。機会があれば、ぜひ味わってみてください。

関連項目

* 牛乳

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