特命刑事

『特命刑事』は、1980年夏に放送された全10話の刑事ドラマです。前作『大激闘マッドポリス'80』の続編として、日本テレビ系列で放送されました。

前作『大激闘マッドポリス'80』は、警察庁直属の特殊部隊・マッドポリス（以下MP）と悪の組織・ジャパンマフィア（以下JM）の対決を描いていましたが、『特命刑事』ではJM壊滅後の物語が展開されます。そのため、ストーリーはJMとの全面対決から、毎回異なる犯罪組織との戦いにシフトしています。

前作からのレギュラーに加え、新たに桜木健一演じる清川大作と、JAC所属の山岡健演じる山南譲がMPのメンバーに加わりました。個性豊かなメンバーたちの活躍が物語に彩りを加えています。

主人公は、渡瀬恒彦演じるMPの指揮官・氷室健一です。冷徹な印象の氷室ですが、時折見せるユーモアも魅力の一つ。抜群の射撃と運転技術、そしてスキューバダイビングの腕前も持ち合わせています。

氷室の右腕として活躍するのは、梅宮辰夫演じる松村兵助です。上層部とのパイプを活かし、情報収集や交渉を担当。チームのまとめ役としての役割も担っています。

他のMPメンバーも個性豊かです。武闘派で美女に弱い芹沢末八、ギャグを飛ばす若手実力派の新田五郎、そして天然ボケの山南譲など、様々なキャラクターが物語を盛り上げます。

MPの本部は、「ローリング建築設計事務所」を偽装したアジトです。前作と変わらぬ外観ですが、室内はグレー調に統一され、氷室のデスク後ろには日本列島の地図が掲示されるなど、変化が見られます。

『特命刑事』は、前作からの流れを汲みつつ、新たな要素を取り入れた作品です。JM壊滅後の新たな敵、個性豊かな新メンバー、そして、回を重ねるごとに明かされる、MP結成の背景など、見どころは満載です。

特に印象的なのは、第9話と最終話の撮影エピソードです。中国共産党中央委員会主席の来日に伴う羽田空港周辺の検問により、撮影が一時中断されるというハプニングがありました。大量のモデルガンが見つかったことで、海上保安庁が介入。制作主任不在という事態の中、助監督が事情聴取を受けるという一幕もありました。

『特命刑事』は、『大激闘マッドポリス'80』と合わせてDVDで発売されており、近年はYouTubeの「東映シアターオンライン」でも配信されています。

『特命刑事』は、アクションシーン満載の痛快な刑事ドラマです。個性豊かなキャラクター、緊迫感あふれる展開、そして撮影秘話など、様々な角度から楽しめる作品となっています。前作『大激闘マッドポリス'80』と合わせて鑑賞することで、より深くこの世界観を楽しむことができるでしょう。

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