特定工作物

特定工作物とは、周辺環境の悪化のおそれがある工作物、または大規模な工作物のことで、都市計画法において厳格に定義されています。この法律では、環境への影響や都市計画への配慮から、特定工作物の建設や開発に対して、様々な規制や手続きが設けられています。

大きく分けて、第一種特定工作物と第二種特定工作物の2種類があります。

第一種特定工作物

第一種特定工作物とは、コンクリートプラントなど、周辺地域の環境悪化のおそれがある工作物を指します。都市計画法施行令では、具体的な例として、以下のものが挙げられています。

コンクリートプラント
アスファルトプラント
クラッシャープラント
危険物の貯蔵・処理施設（ただし、石油パイプライン事業法、港湾法、漁港漁場整備法、航空法、電気事業法、ガス事業法などに該当する施設は除く）

これらの施設は、騒音、振動、粉塵、悪臭など、周辺地域に多大な環境負荷を与える可能性があります。そのため、建設にあたっては、環境影響評価の実施や、周辺住民への十分な説明と合意形成が求められます。

第二種特定工作物

第二種特定工作物とは、ゴルフ場など、大規模な開発によって周辺環境に影響を与える可能性がある工作物を指します。都市計画法施行令では、以下のものが挙げられています（いずれも規模が1ha以上のものに限る）。

野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園などの運動・レジャー施設（ただし、学校教育法による学校、港湾法による港湾環境整備施設、都市公園法による都市公園、自然公園法による公園事業などに該当するものは除く）
墓園

第二種特定工作物は、第一種と異なり、環境汚染というよりは、無秩序な市街化（スプロール現象）を招く可能性が懸念されています。そのため、市街化調整区域内での開発許可においては、都市計画法第34条の適用除外となるケースが多いです。ただし、大規模な開発であるため、周辺環境への影響を考慮した計画、住民への配慮は不可欠です。

備考

特定工作物に該当するかどうかは、個々のケースによって判断が異なります。上記に挙げられた例以外にも、周辺環境に悪影響を与える可能性のある工作物は、特定工作物として指定される可能性があります。また、規模や立地条件、周辺環境なども考慮されます。そのため、特定工作物に該当するかどうかを判断するには、専門家の意見を仰ぐことが重要です。

都市計画法では、特定工作物の建設や開発にあたっては、環境への影響を最小限に抑えるための様々な規制が設けられています。これらの規制を遵守し、環境保全に配慮した開発を進めることが重要です。

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