特攻勇士の像

特攻勇士の像：若き特攻隊員を悼む慰霊の像

太平洋戦争末期、日本海軍と陸軍は、敵艦船への体当たり攻撃である「特攻作戦」を実施しました。この作戦で命を落とした多くの若き特攻隊員たち。彼らの尊い犠牲を後世に語り継ぎ、慰霊するため建立されたのが「特攻勇士の像」です。

このブロンズ像は、公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会によって、全国各地の護国神社を中心に建立されています。凛とした佇まいの像は、特攻隊員たちの揺るぎない決意と、平和への切なる願いを象徴的に表現しています。

像の制作と建立：平和への願いを込めて

「特攻勇士の像」の制作は、2006年夏に開始されました。財団法人特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会（現：公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会）の企画により、大阪芸術大学関係者を中心としたボランティア団体「日本人の心を伝える会」の協力も得て制作されました。

多くの特攻隊員の遺影を参考に、グラフィックデザイナー塚本哲氏がデザインを行い、造形作家三原帯水氏と坂充央氏が原型を制作。陸海軍の特攻隊員を象徴する、力強いながらも静謐な佇まいの像が完成しました。

2007年4月、最初の像が鹿児島県護国神社に建立されたのを皮切りに、全国各地の護国神社や関連施設に建立が進められています。それぞれの場所に建立される像は、地域住民や関係者らの協力を得て、大切に祀られています。

建立状況：全国に広がる慰霊の輪

「特攻勇士の像」は、現在までに全国52か所以上の護国神社などに建立されています。その中には、靖国神社を含む主要な護国神社だけでなく、地方の神社仏閣も含まれています。それぞれの神社には、地元の住民や関係者によって、慰霊祭や追悼式が執り行われ、特攻隊員たちの霊を慰め、平和への祈りを捧げています。

下記は、主な建立場所と年次の例です。

鹿児島県護国神社 (2007年4月)
福井県[[護国神社]] (2007年4月)
世田谷山観音寺 (2007年9月)
宮城縣護國神社 (2007年10月)
愛知縣護國神社 (2008年4月)
能代八幡神社 (2008年10月)
群馬縣護國神社 (2009年3月)
大阪護國神社 (2009年10月)
栃木県護国神社 (2010年8月)
千葉縣護國神社 (2011年5月)
京都霊山護国神社 (2012年4月)
福岡縣護國神社 (2012年12月)
埼玉縣護國神社 (2013年10月)
大分縣護國神社 (2014年9月)
山口県護国神社 (2015年4月)
長野縣護國神社 (2015年10月)
沖縄県護国神社 (2018年4月)
茨城県護国神社 (2018年10月)
宮崎縣護國神社 (2019年3月)
三重県護国神社 (2021年8月)

これらの建立は、公益財団法人特攻隊戦没者慰霊顕彰会の重要な事業の一つであり、特攻隊員たちの犠牲を忘れずに、平和な未来を築いていくための活動として継続されています。

特攻隊員たちの精神：平和への希求

「特攻勇士の像」は単なる慰霊碑ではありません。特攻隊員たちの、祖国への忠誠心、そして平和への強い願いを後世に伝えるためのシンボルです。彼らの若き命と、その背景にある歴史的状況を理解し、平和の大切さを改めて認識する機会を提供するものです。 建立された像を前に、多くの参拝者は、静かに手を合わせ、平和への祈りを捧げています。

彼らの犠牲を無駄にしないためにも、私たちは歴史を学び、平和な社会を築いていく努力を続けなければなりません。

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