特殊切手

特殊切手とは

特殊切手は、国家的宣伝、キャンペーン、文化財の紹介といった特定の意図を持って発行される切手のことを指します。記念切手と並び、切手収集家にとって魅力的なコレクションアイテムの一つです。

特殊切手の概要

特殊切手は、毎年同時期に発行されるものや、特定のテーマに沿ってシリーズとして発行されることがあります。記念切手と同様に、発行枚数が限られており、販売される郵便局や販売期間、郵便に使用できる期間が制限されることもあります。このような特徴から、記念切手の一種と見なされることもありますが、この分類は主に日本と中国で見られるものです。

2008年現在、日本郵便では記念切手とシリーズ切手をまとめて「特殊切手」と表現しています。しかし、実際には両者の区別は曖昧な部分も残っています。

欧米の特殊切手

欧米では、特殊切手に相当する切手として「スペシャル切手」があります。これは、毎年恒例の行事の際に発行される切手を指します。例えば、クリスマスカード用に発行されるクリスマス切手、バレンタインの時期に発行されるラブ切手、年賀状に使われる年賀切手などがあります。これらの切手は、特定の季節の挨拶状を送る際に大量に使用されます。

また、独立記念日のような恒例行事を記念する切手や、特定のキャンペーンをテーマにした切手も発行されますが、これらは記念切手としての性格も持ち合わせています。

欧米では、日本でいう特殊切手は、基本的に記念切手の範疇に含まれます。ただし、観光宣伝や文化財の紹介など、特定のテーマで発行される切手は世界各国に存在します。

日本の特殊切手

日本で最初に発行された特殊切手は、1935年12月1日の年賀切手です。日本では1899年から年賀郵便特別配達サービスが行われていましたが、この時初めて「昭和11年用年賀切手」が発行されました。

特定のテーマを選定してシリーズ化した特殊切手としては、「国立公園切手」が挙げられます。1936年7月10日には、「富士箱根国立公園」の風景を描いた4種セットが発行され、1941年まで計8回発行されました。その中には、当時日本の統治下にあった台湾の国立公園を描いたものも含まれており、これらは台湾と東京中央郵便局でのみ販売されました。国立公園シリーズは、戦時中断を挟んで1956年まで継続され、1962年から1974年まで再び発行されたため、切手収集家の間では前者を「第一次国立公園切手」、後者を「第二次国立公園切手」と呼んでいます。

日本の切手発行における記念切手と特殊切手の分類方法として、切手発行当日に使用される初日印があります。記念切手では、毎回特印と呼ばれるデザインされた消印が使用され、初日カバーの製作に使われます。一方、特殊切手では、長年にわたり普通切手と同様に風景印やハト印が使用されていました。しかし、1974年2月20日発行の昔ばなしシリーズ第2集「つる女房」から絵入ハト印が使用されるようになりました。絵入ハト印が使用される場合は特殊切手、以前から特印が使用されていた切手趣味週間や国際文通週間などのキャンペーン切手は記念切手として扱われます。また、特印が使用されないふるさと切手も特殊切手と見なされます。

関連項目

さくら日本切手カタログ
退蔵益

外部リンク

* 切手の豆知識「クリスマス切手」

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