犯罪都市 PUNISHMENT

映画『犯罪都市 PUNISHMENT』の詳細解説

『犯罪都市 PUNISHMENT』（原題：범죄도시4、英題：The Roundup: Punishment）は、2024年に公開された韓国の刑事アクション映画です。マ・ドンソクが主演を務める人気シリーズ『犯罪都市』の第4作目であり、今回はホ・ミョンヘンが監督を務めています。彼はシリーズ1作目からアクション監督として携わっており、本作ではその手腕が遺憾なく発揮されています。

作品概要

このシリーズの特徴として、毎回異なる国を舞台に悪役が登場します。今回は、韓国とフィリピンを股にかける違法オンラインカジノ組織が敵となります。この組織のリーダーであるペク・チャンギと、背後にいるIT企業CEOチャン・ドンチョルが、マ・ソクトの前に立ちはだかります。

本作は、2015年にタイで起きた韓国人プログラマー監禁殺害事件をモチーフにしています。物語は、前作から3年後の2018年を舞台に、マ・ソクトが麻薬密売事件の捜査中に、オンラインカジノ組織の存在を突き止めるところから始まります。

あらすじ

麻薬密売事件の捜査を進めるマ・ソクトは、プログラマーのチョ・ソンジェが開発に関与した可能性のあるアプリにたどり着きます。しかし、その後の捜査で、ソンジェは過去に作成したオープンソースを基にアプリが開発されただけで、事件とは無関係であることが判明します。実はソンジェは、フィリピンにある「皇帝カジノ」というオンラインカジノ組織に監禁され、プログラム開発を強要されていたのです。脱出を試みたソンジェは、組織のリーダーであるペク・チャンギによって惨殺されます。

息子の無残な死を知ったソンジェの母親は、大きなショックを受け自ら命を絶ちます。マ・ソクトはソンジェの母の位牌の前で、必ず犯人を見つけ出すことを誓います。

マ・ソクトは、サイバー捜査隊と連携して捜査を開始しますが、組織のサーバーは海外にあり、運営者の手がかりは一切掴めません。そこで、マ・ソクトはかつてオンラインカジノ事業に参入しようとしていたものの、組織によってフィリピンの拠点を破壊された、元マフィアのチャン・イスに協力を仰ぎます。

捜査の過程で、組織の集客と資金洗浄を担当するチェ・ユソンという男の存在が明らかになります。さらに、組織の黒幕がIT企業CEOのチャン・ドンチョルであることも判明します。チャン・ドンチョルは、ペク・チャンギを暴力装置として利用し荒稼ぎする一方で、仮想通貨事業の新規上場を企んでいました。しかし、チャン・ドンチョルの態度に不信感を抱いたペク・チャンギは、部下と共に韓国に帰国します。その後、チェ・ユソンが警察署内で殺害される事件が発生。ペク・チャンギが犯人であることが明らかになります。

ソウル地方警察庁の次長は捜査の進捗状況に激怒しますが、長官の助言により、マ・ソクトのチームは捜査を継続できることになります。マ・ソクトは新たな捜査方法を考案。フィリピンに架空のオンラインカジノスタジオを設置し、おとり捜査を開始します。一方、チャン・ドンチョルは、ペク・チャンギを消すために、マフィアのボスであるクォン社長と手を組みますが、逆にペク・チャンギに返り討ちに遭います。その後、チャン・ドンチョルはクォン社長によって殺害されてしまいます。

最終的に、組織のサーバーがチャン・ドンチョルの会社にあることが判明。マ・ソクトは、ペク・チャンギと部下がフィリピンへ逃亡しようとしていることを知り、空港で激しい戦いを繰り広げます。

主要キャスト

マ・ソクト：マ・ドンソク（日本語吹替：小山力也）
本作の主人公であり、圧倒的な腕力で事件を解決する「怪物刑事」。
ペク・チャンギ：キム・ムヨル（日本語吹替：櫻井孝宏）
本作のメインヴィラン。冷酷で残虐なオンラインカジノ組織のリーダー。
チャン・ドンチョル：イ・ドンフィ（日本語吹替：福山潤）
オンラインカジノ組織の黒幕であるIT企業CEO。
チャン・イス：パク・ジファン（日本語吹替：佐藤せつじ）
マ・ソクトの協力者であり、元マフィアのボス。
キム・マンジェ：キム・ミンジェ（日本語吹替：飯島肇）
マ・ソクトの右腕として活躍する刑事。
ハン・ジス：イ・ジュビン（日本語吹替：三重野帆貴）
サイバー捜査隊の刑事。

作品の特徴

実在の事件をモチーフにしたストーリー：本作も過去のシリーズと同様に、実際に起きた事件を基に物語が構成されています。
迫力満点のアクションシーン：マ・ドンソクが繰り広げるアクションシーンは、見ごたえがあります。
豪華なキャスト陣：マ・ドンソクを始め、実力派俳優たちが多数出演しています。
シリーズ初の海外ロケ：本作では、シリーズ初となるフィリピンでのロケ撮影が行われました。
* 多様なキャラクター：本作には、マ・ソクトの仲間たちや、個性的なヴィランたちが登場します。

その他

本作のエンディングテーマは、チャン・イス役のパク・ジファンが歌う「Rough life」です。この曲は、過去の韓国映画の主題歌をカバーしたもので、韓国では非常に人気があります。

また、劇中には、マ・ソクトがチャン・イスを騙すシーンで、韓国語の音韻の特徴を利用したジョークが登場します。これは、韓国語に「F」の音がないために、外来語の「F」を「P」で代替してしまうことを利用したものです。

まとめ

『犯罪都市 PUNISHMENT』は、シリーズの魅力を十分に引き継ぎつつ、新たな展開を見せる作品です。アクション、サスペンス、コメディの要素がバランスよく盛り込まれており、幅広い観客が楽しめる内容となっています。シリーズファンはもちろん、まだ見たことがない方も、ぜひこの機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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