狭山環状有料道路

狭山環状有料道路の概要

狭山環状有料道路（さやまかんじょうゆうりょうどうろ）は、埼玉県狭山市の沢地区から入間川を越え、同市柏原に至る1.8キロメートルの道路です。この道路は、かつて有料でしたが、2021年7月28日をもって無料化されました。2車線で構成され、実質的には第I区間と第II区間に分かれて運用されていました。

建設の背景と歴史

この道路の建設は1981年に始まりました。当時、狭山市内の入間川には4つの橋しかなく、特に朝夕の通勤時間帯にはその橋を通過する車両が集中し、深刻な渋滞が発生していました。さらに、そのうち2つの橋は一方通行であったため、国道16号に到達するまでに30分以上かかることも珍しくありませんでした。

こうした状況に対し、地元住民からは渋滞を避けるために料金を支払ってでも新たな道路を整備してほしいとの声が上がりました。これを受け、狭山市は国や民間から資金を調達し、1987年に道路を開通させる運びとなりました。このような経緯があり、2021年の無料開放まで約34年間の有料期間が設けられていました。2013年度末時点では、約32.5億円の未償還金が残っていました。

料金と運用

狭山環状有料道路には料金所が狭山大橋の柏原側に設けられており、通行する際には料金を支払う必要がありました。料金所の近くには、軽車両用の料金箱が設置され、利用者はドジョウの口に硬貨を投入する方式を採用していました。無料化が望まれていたものの、未償還金が多いために具体化には至らなかったが、2021年7月28日をもって料金徴収が終了し、無料化されました。この結果、交通量の変化が予測され、国道16号の所要時間にも改善が見られるという調査結果が発表されました。

無料化後の影響

例えば、ナビタイムジャパンの交通コンサルティング部門は、狭山環状有料道路の無料化に伴う交通影響調査を発表しました。その結果、無料化によって国道16号を利用していたドライバーが旧狭山環状有料道路にシフトしたことが推測されており、国道16号の混雑が軽減する傾向にあると報告されています。

主要諸元

この道路は埼玉県道397号堀兼根岸線及び埼玉県道126号所沢堀兼狭山線の一部であり、起点は狭山市入間川、終点は狭山市柏原です。延長は1.8キロメートルで、規格は第3種第2級、車線数は2車線、車線幅員は3.25メートルです。設計速度は時速60キロメートルで、事業費は約56億円となっています。

交通量と接続

通過台数は2014年度で約4,830台/日であり、首都圏中央連絡自動車道狭山日高インターチェンジから工業団地を通じて、交通量の多い国道16号を立体交差し、狭山台経由で浦和所沢バイパス方面へとつながるバイパスの一部となっています。

年表

• - 1981年（昭和56年）11月1日 - 第I区間着工
• - 1987年（昭和62年）

- 3月27日 - 完成
- 3月28日 - 第I区間供用開始

• - 1997年（平成9年）12月18日 - 第II区間着工
• - 2005年（平成17年）3月13日 - 第II区間開通
• - 2021年（令和3年）7月28日 - 無料開放

まとめ

狭山環状有料道路は、地域の交通渋滞を緩和する目的で建設された重要な道路であり、2021年に無償化されたことにより、より多くの利用者がその恩恵を受けています。地元住民の期待に応え、今後も道路運用が行われることが期待されています。

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