狭母音

狭母音（せまぼいん）とは

狭母音とは、発音時に舌が上あごに最も近づく状態で調音される母音のことです。この時、子音のような摩擦音は生じません。狭母音は、舌の高さによって「高母音」または「閉母音」とも呼ばれます。これらの用語は、口の開き具合と舌の位置を基準にしています。

狭母音の種類

狭母音は、舌の最も高い位置（前後）と唇の丸めによって、さらに細かく分類されます。国際音声記号（IPA）を用いて、それぞれの母音を具体的に見ていきましょう。

前舌母音

前舌母音は、舌の最も高い位置が口の前方にある母音です。

[i] - 非円唇前舌狭母音: 舌が前方に位置し、唇を丸めずに発音する狭母音です。
[y] - 円唇前舌狭母音: 舌が前方に位置し、唇を丸めて発音する狭母音です。

中舌[[母音]]

中舌[[母音]]は、舌の最も高い位置が口の中央にある母音です。

[ɨ] - 非円唇中舌狭母音: 舌が中央に位置し、唇を丸めずに発音する狭母音です。
[ʉ] - 円唇中舌狭母音: 舌が中央に位置し、唇を丸めて発音する狭母音です。

後舌[[母音]]

後舌[[母音]]は、舌の最も高い位置が口の後方にある母音です。

[ɯ] - 非円唇後舌狭[[母音]]: 舌が後方に位置し、唇を丸めずに発音する狭母音です。
[u] - 円唇後舌狭[[母音]]: 舌が後方に位置し、唇を丸めて発音する狭母音です。

広めの狭母音

狭母音ほど舌の位置が高くない母音は、「広めの狭母音」と呼ばれます。これもまた、舌の位置と唇の丸めによって分類されます。

前舌め母音

[ɪ] - 非円唇前舌め広めの狭母音: 舌が前方に位置し、唇を丸めずに発音する、狭母音よりやや低い音です。
[ʏ] - 円唇前舌め広めの狭母音: 舌が前方に位置し、唇を丸めて発音する、狭母音よりやや低い音です。

後舌め母音

[ɯ̽] - 非円唇後舌め広めの狭母音: 舌が後方に位置し、唇を丸めずに発音する、狭母音よりやや低い音です。
[ʊ] - 円唇後舌め広めの狭母音: 舌が後方に位置し、唇を丸めて発音する、狭母音よりやや低い音です。

まとめ

狭母音は、その調音方法と舌の位置によって多様な種類があります。国際音声記号を用いることで、これらの母音を正確に区別し、言語間の音の違いを理解することができます。音声学は、言語の奥深さを知る上で非常に重要な分野であり、母音の理解はその基礎となります。

関連事項

半狭[[母音]]: 狭母音と半[[広[[母音]]]]の中間の高さを持つ母音です。
半[[広[[母音]]]]: 広[[母音]]と半狭[[母音]]の中間の高さを持つ母音です。
* 広[[母音]]: 舌が上あごから最も離れた位置で調音される母音です。

これらの母音についても理解を深めることで、さらに音声学の世界が広がります。

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