狼は天使の匂い

狼は天使の匂い (La Course du Lièvre à Travers les Champs)

1972年に公開されたフランス・アメリカ合作映画。

監督はルネ・クレマン。
出演はロバート・ライアン、ジャン＝ルイ・トランティニャンなど。

フランスの推理作家・脚本家であるセバスチアン・ジャプリゾが、アメリカの作家デイビッド・グーディスの小説を大胆に翻案・脚色。

ストーリー

トニーはヘリコプターの墜落事故を起こし、多くのジプシーの子供たちを死なせてしまう。

怒ったジプシーから追われる身となったトニーは、パリからニューヨーク、そしてカナダのモントリオールへと逃亡。

しかし、ジプシーの追跡は止まらず、万国博覧会のアメリカ館に身を隠したトニーは、殺人事件を目撃してしまう。

犯人一味に捕らえられ、アジトの島へ連れ去られたトニー。

そこには、泥棒一味のボスであるチャーリー、その情婦シュガー、そして仲間たちがいた。

島から逃げるには橋を渡るしかないが、一味の目を盗んでも、ジプシーが待ち構えているかもしれない。

絶望したトニーは、島に留まることを決意し、チャーリーやシュガーと親しくなっていく。

そして、チャーリーから計画中の大仕事に誘われたトニーは、仲間になることを承諾する。

キャスト

チャーリー：ロバート・ライアン
トニー：ジャン＝ルイ・トランティニャン
シュガー：リー・グラント
マットン：ロイ・シャイダー
* リッツィオ：ジャン・ガバン

※KADOKAWAから発売のBDに日本語吹替収録

製作

本作はデイビッド・グーディスの小説『Black Friday』を原作としているが、脚本段階で原作から大きく逸脱したため、クレジットでは原作として示されていない。

ハヤカワ・ポケット・ミステリからは『Black Friday』が映画の邦題に倣い、『狼は天使の匂い』として刊行。

セバスチアン・ジャプリゾによるノベライズは『ウサギは野を駆ける』として翻訳刊行されている。

作品の魅力

『狼は天使の匂い』は、単なる犯罪映画の枠に収まらない、独特の魅力を持つ作品です。

ルネ・クレマン監督の遊び心あふれる演出、個性的な俳優たちの演技、そしてセバスチアン・ジャプリゾによる大胆な脚色が、見事に融合し、観る者を魅了します。

一見、シリアスな犯罪劇でありながら、どこかおとぎ話のようなファンタジーの要素も感じさせる、不思議な魅力を持ったカルト映画です。

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